樹木希林のインタビュー内容が凄いことになっている件|ほぼ週刊吉田豪 (1/2ページ)
17年5月15日号の『AERA』「老いも死も面白い」特集に掲載された樹木希林インタビューが、とにかくとんでもない破壊力の記事でした。
樹木希林といえば、08年9月発売の『hon-nin』(太田出版)という雑誌でボクがインタビューしたとき、 話は文句なしに面白いけれど内田裕也以上のデストロイぶりだったという話は各地でしているのでここでは割愛するけれど、取材時に「ギャラは税金の計算が面倒だからいらない」「飲み物とか持ってこられると捨てるのが面倒だから全部持って帰って」とか言われまくって、そんなやり取りを完全再現したわけですけど、それが今回も再現されていたわけですよ。
冒頭、「アエラの取材依頼に当初は丁寧な断りの電話があった。だが『こういう取材は今回きり』の条件で、樹木さんは『なんでも聞いていい』と重い扉を開けてくれた」と書いてあっただけでも実に樹木希林なのに、その後の発言がまた新人ならこの時点で泣き出すレベル。
「『老い』とか『死』とか、そういうテーマの取材依頼がたくさんきて、困っちゃうのよ。何も話すことなんてないんだから。『死をどう思いますか』なんて聞かれたって、死んだことないからわからないのよ。ひとつ(取材を)受けるとキリがなくなるでしょ。だから全部お断りしているんです。映画の宣伝のときは仕方ないけど。私がこういう取材を受けるメリットはどこになるの? あなた方のメリットはわかるの。えっ、私の話で救われる人がいるって? それは依存症というものよ、あなた。自分で考えてよ」
どうですか、この突き放し方! そして、「待ってました!」と言いたくなる、この話に突入していくわけです。
「(取材にくるとき)手土産は絶対に持ってこないで』って言ったけれど、それも毎回必死よ。『くれないで』って。だってお菓子を持ってこられたら、包装紙を開いて、箱を開けて、それをまた畳んで資源ごみに出してって。すごく手間じゃない。私は自分が食べたいケーキがあったら買いに行って、『箱はいりません』ってティッシュにくるんで帰るの。映画会社が『ポスター、送ります』なんて言ってくることもあるけど、それも『送らないでください』って。切ってメモ帳にするの大変でしょう。あ、それから今回の取材の謝礼もいらないから。