管理栄養士になるには? 資格や試験について知ろう

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国家資格の一つである「栄養士」ですが、もう一つ「管理栄養士」というものを聞いたことはありませんか? 「呼び方が違うだけでどちらも同じ資格なのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、実はこの「管理栄養士」と「栄養士」は別の資格なのです。今回は、この管理栄養士はどんな資格なのか、また管理栄養士になるにはどうすればいいのかをご紹介します。

■「栄養士」と「管理栄養士」は別物?

日本において、栄養の指導を行う仕事に従事する場合は「栄養士」の資格を取らないといけません。栄養士は、都道府県知事の免許を受けた国家資格で、健康な人を対象にした栄養指導を行うことができるものです。

そして、この栄養士の上位資格となるのが、「管理栄養士」です。管理栄養士は厚生労働大臣の免許を受けた国家資格で、栄養士の資格所有者に与えられる指導権限に加え、病気の人や高齢者など、食事が取りづらい人に向けても、栄養指導や、栄養管理、また給食管理を行うことができます。つまり「栄養に関するスペシャリスト」といえる資格なのです。

■管理栄養士の免許はどうやって取ればいいの?

管理栄養士は栄養士の上位資格ですから、管理栄養士を目指すならまずは栄養士の免許から取得しないといけません。栄養士になるには、管理栄養士養成課程、または栄養士養成課程のある大学や短期大学、または専門学校で定められた教育課程を修めることが一般的な取得ルート。その上で、「管理栄養士国家試験」を受けることになります。

ただ、栄養士の免許を取得する課程によっては受験資格に実務経験が求められます。たとえば「管理栄養士養成課程」を経て取得した場合は、そのまま試験を受けることができますが、「栄養士養成課程」で免許を取得した場合は、課程によって1-3年の実務経験が必要です。

■気になる試験の内容は?

「管理栄養士国家試験」は年に1回行われます。毎年2万人前後の人が受験し、合格率は40-50%ほど。数で言えば、7,000-1万人ほどが合格できているようです。

厚生労働省の「管理栄養士国家試験」のページによると、試験科目は以下の9科目です。

ア.社会・環境と健康
イ.人体の構造と機能及び疾病の成り立ち
ウ.食べ物と健康
エ.基礎栄養学
オ.応用栄養学
カ.栄養教育論
キ.臨床栄養学
ク.公衆栄養学
ケ.給食経営管理論

栄養素の持つ効果や組み合わせなどの基本的なことや、特定の症状に合わせた栄養面での対処法といった応用問題も多く出題。栄養学だけでなく、人の体の仕組みや栄養がもたらす体の反応など、幅広い知識が問われます。

■管理栄養士免許を持つ人の職く場は?

栄養士の上位資格である管理栄養士を取得すれば、小学校・中学校などの教育施設だけでなく、医療施設や老人福祉施設、また介護施設でも働きやすくなり、活躍の幅が広がります。また、栄養士の養成学校で講師を務めるといったケースも見られます。ほかには食に関するアドバイザー、食品のプロデュース業、料理研究家など、幅広い分野で活躍をしている人も多くいます。私たちの生活にはなくてはならない「食」に関する資格ですから、仕事へも応用しやすいと言えますね。

管理栄養士になるにはどうすればいいかを解説しました。もし管理栄養士の資格を取得したい場合は、やはり専門の養成機関に入り、学ぶことが一番の近道と言えます。また、同じ養成機関でも実務経験が必要になる場合もありますから、そのあたりも考えて進路選びをするといいでしょう。

引用元:厚生労働省「管理栄養士国家試験」
http://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shikaku_shiken/kanrieiyoushi/

(中田ボンベ@dcp)

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