ブツブツが怖い…“斑点恐怖症” 生理的な嫌悪感はなぜ起きる?

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高所恐怖症や閉所恐怖症など様々な恐怖症がありますが、ひまわりの種やハスの実などの斑点に嫌悪感を感じる斑点恐怖症をご存知でしょうか。

なぜ小さいものが密集しているものに恐怖を感じる人がいるのか、斑点恐怖症について、詳しく医師に解説していただきました。 斑点恐怖症とは
小さいものが密集してできた物や映像に恐怖を覚える状態です。集合体恐怖症とも呼びます。

具体的な例
・イチゴのつぶつぶ(種)
・ヒマワリの種
・ハスの実
・ブドウの房
・蜂の巣
・昆虫の目
・魚卵
・虫の卵やフジツボが密集している場面
・鳥肌

こういったものは誰にでもある程度の恐怖感を与えるものですが、異常なまでの恐怖感や嫌悪感を引き起こします。

洋服の水玉模様や雨粒のついたガラス窓などありふれたものにまで恐怖を感じるようになり、生活に支障が生じる場合もあります。 斑点恐怖症の原因
医学的にはっきりとは判明していません。推測ですが、虫の大群や爬虫類のうろこなどは生命に危険を及ぼす可能性があるものなので、生理的に嫌悪感を感じるような脳の機能が人間には備わっていても不思議ではありません。

嫌悪感を感じる機能がたまたま強い人であったり、斑点を見たということと同時に何らかな不快な体験をしてしまうと、斑点=恐怖と結びついてしまうのです。

のちに斑点を見るたびに不快な感情がよみがえって悪循環となり、恐怖症になってしまうのかもしれません。 斑点恐怖症の症状
・体の震え
・動悸
・息切れ
・心拍数が急上昇
・吐き気やめまい
・意識を失う 斑点恐怖症の改善方法
自分なりのエピソードを思い出す
イチゴが怖い場合、実際にはイチゴが危害を加えてくるわけがないと自分でも分かっているのです。

例えば初めてイチゴ狩りをしたときにいやなこと・怖いことがあって、イチゴを見るとその感情が思い返されるという回路ができてしまっているのかもしれません。

そう認識するだけで、イチゴ自体に対する恐怖感は和らぐかもしれません。

恐怖の対象を増やさない
また、「つぶつぶが駄目なら、イチゴだけじゃなくヒマワリもダメなんじゃないか」などと考え、恐怖を考えるものの種類を増やさない・恐怖に自分からエサをやらないことです。

曝露療法
恐怖症の治療法として、少しずつ苦手なものに触れて慣れを作っていくという曝露療法があります。

例えば今日はイチゴを10秒だけ見てみよう、と決めます。それができたら次は1分間見てみる。次は触ってみる。次は食べてみる、と少しずつ進めていくことで、「なんだ、意外と大丈夫だった」という体験を積み重ね、自信をつけていきます。 少し変わった恐怖症 嘔吐恐怖症

自分や他人の嘔吐への恐怖感が強く、電車内で他人が吐く様子を目撃したり、自分の家族が体調不良で嘔吐するのが怖く感じます。

特に妊娠に伴うつわりや、ノロウイルスによる嘔吐下痢症の場合に問題になります。

吐くのがつらいから怖いということではなく、嘔吐について考えたり、えづくような音を聞くだけで冷汗が出たり体が震えたりします。

吐いてしまうかもしれないと考えると、げっぷができなくなり、お腹にガスが溜まったり、外食もできなくなってしまうことがあります。


ピエロ恐怖症

ピエロの扮装や人形に恐怖を覚えます。俳優のジョニー・デップもピエロ恐怖症だそうです。


数字恐怖症

日本では「死」に通じる4、欧米ではキリスト教的に縁起の悪い数字とされる13に恐怖感を覚える人が多いようです。

巨大物・巨大建造物恐怖症

高層ビル、ジャンボジェット、大型客船、大仏などの非常に大きなものに対して恐怖感を感じます。 最後に医師から一言
様々な恐怖症がありますが、恐怖感は人間が生きていくうえで必要なものです。

どこからが病的かの線引きは難しい面もありますが、程度が強すぎて生活に支障を来すようであれば、心療内科で相談してみられてもよいかもしれません。

(監修:Doctors Me 医師)

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