【医師監修】目の疲れによる頭痛の治し方

マイナビウーマン

【医師監修】目の疲れによる頭痛の治し方
【医師監修】目の疲れによる頭痛の治し方

仕事でパソコンを使ったり、暇さえあればスマホをいじったりと、1日中液晶画面を見て過ごしている人は多いもの。それによって、目が疲れてしまい頭痛を引き起こしてしまうことがあります。頭痛がひどくなると吐き気に襲われることもあるので、どうにか手を打っておきたいところ。そこで今回は、目の疲れによる頭痛の治し方を、脳神経外科の伊藤たえ先生に聞きました。

■目の疲れからくる頭痛とは?

目の疲れ、いわゆる眼精疲労から頭痛が起きる原因とそのメカニズムとは、一体どのようなものなのでしょうか? 伊藤先生に解説していただきます。

◇どうして目が疲れると頭痛になるの?

眼精疲労の主な原因は、以下の4つが挙げられます。

・パソコンやスマホ、読書などで目を酷使している ・近視や乱視、白内障など、もともと目の病気を持っている ・メガネやコンタクトレンズの使い方が不適切(度が合わない、汚れがあるなど) ・ドライアイ

最近は、眼科を受診しなくてもインターネットで簡単にカラーコンタクトレンズが買えますが、ものによっては目を傷つけることも。また、2ウィークの使い捨てコンタクトレンズをずっと使い続けるなど、誤った使い方もトラブルの原因に。さらにドライアイは、スマホなどの液晶画面を見ているときの瞬きの回数が減ることで生じます。

目が疲れるというのは、目のまわりの筋肉が緊張している状態のこと。十分な休息や睡眠をとれば治るものですが、目の疲れがとれずに慢性化したものが眼精疲労です。そうすると、目のまわり以外の頭や首、肩などの筋肉も凝るようになり、頭痛を引き起こすようになります。眼精疲労から、慢性的な頭痛持ちになることも。

◇目の疲れと吐き気の関係って?

目が疲れると目の奥が痛くなったり、頭痛を伴ったりことがあります。脳の中で、痛みの信号が吐き気を司る部分と連動しているため、目を酷使すると吐き気をもよおすのです。

■原因は? 頭痛の種類・2つ

頭痛にはさまざまな種類がありますが、眼精疲労からくる頭痛は、一般的に「片頭痛」と「緊張型頭痛」の2つ。両方持っている方もいるそうです。それぞれどのような特徴があるのか、伊藤先生に教えていただきます。

◇片頭痛

片頭痛は、片側のこめかみあたりが脈を打つようにズキズキと痛み、4~72時間ほど痛みが持続するのが特徴です。時間の経過とともに、両側が痛くなったり、痛くなかった逆側に痛みが移ったりすることも。若い女性に多い症状で、母親から子どもへ遺伝する傾向があります。

原因は飲酒やストレス、月経周期、光、音、におい、天候や温度の変化、睡眠不足、睡眠過多が挙げられます。吐き気を伴ったり、光過敏や嗅覚過敏など、日常生活に支障をきたす場合も。片頭痛が起きる前に、目がチカチカしたり、気持ちが悪くなったり、前兆が見られることもあります。

◇緊張型頭痛

緊張型頭痛は、きつい帽子をかぶったように、両側のこめかみをキューッと締めつけられるような痛みが特徴で、1日中ダラダラと痛みが続きます。長時間のデスクワークやスマホをいじるなどのうつむき姿勢や、最近では“スマホ首”とも呼ばれる頚椎症、肩こり、ストレスなどが原因です。年齢や性別に関係なく発症します。

■眼精疲労による頭痛の治し方

目の疲れ、そして目の疲れによる頭痛を改善する方法は、目を酷使しないことが一番。普段からできる解消法をご紹介します。

◇根本から改善! 目の疲れの解消法

目の疲れを蓄積させないためにも、日常生活で心がけたいポイントが5つあります。

☆メガネ・コンタクトレンズが合っているか確認する

視力が悪い人は、使っているメガネやコンタクトレンズが合っているかの確認をすることが大事。眼科で、半年に1回は視力チェックをするようにしましょう。また、コンタクトレンズの装着時間は1日12~16時間以内におさめましょう。

☆書面やパソコン画面に近づきすぎない

読み書きやパソコン作業の際は、書面やディスプレイから最低40cmの距離を保つことも大事。ブルーライトをカットするメガネを使用するのも、目への負担が軽減されます。

☆休憩時間を設ける

目を酷使する読み書きやパソコン作業の際は、休憩時間を設けること。1時間ごとに10分を目安に目を休めたり、肩や首を回すなどのストレッチをしたりしてみましょう。

☆部屋は明るくする

部屋の明るさに気をつけること。明るすぎもよくないのですが、特に暗い照明下でのパソコン作業やスマホいじりは要注意。ついついやりがちな、電気を消した部屋でのテレビ鑑賞や、ベッドの中でのスマホはご法度!

☆たっぷり睡眠をとる

もちろん、十分な睡眠をとることも大事です。“目を休める”という意味でも、寝るのは疲労回復に効果を発揮します。

このように、日々の生活習慣を少し見直すだけで、目の疲れを軽減させることができます。また、市販のホットアイマスクなどはリラックス効果もあるので、心地いいと感じる方は使用してみるのもいいでしょう。目のまわりのツボ押しやマッサージも、強く押しすぎるとよくないのですが、気持ちいい程度に軽く押すくらいならOKです。

◇今すぐ治したい! 頭痛の治し方

頭痛が起きてしまった場合は、無理をせず、市販の頭痛薬を飲みましょう。ただし、飲みすぎには注意。飲みすぎが原因で「薬物乱用頭痛」を引き起こすこともあるので、薬を毎日飲まないと効かないような頭痛の場合は、病院を受診しましょう。

マッサージやストレッチ、入浴は「緊張型頭痛」の場合は改善しますが、「片頭痛」の場合は症状が悪化する傾向があるので、注意が必要です。またチーズやワイン、チョコレートは「片頭痛」を悪化させることもあるため、控えたほうがいいでしょう。

■まとめ

眼精疲労からくる頭痛を予防&改善するには、まずは目への負担を減らすことが第一! 部屋の明るさや読み書きするときの距離感、自分に合ったメガネやコンタクトレンズの使用など、ちょっとした日々の心がけをして、大事な目を優しく労わってあげましょう。

(監修:伊藤たえ、文:伊藤康江)

※画像はイメージです

「【医師監修】目の疲れによる頭痛の治し方」のページです。デイリーニュースオンラインは、女子などの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る

人気キーワード一覧