池上彰も苦言?新潮の中吊り”カンニング疑惑”で文春砲に暗雲

デイリーニュースオンライン

Photo by Vive La Palestina(写真はイメージです)
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『週刊新潮』(新潮社)が、ライバル誌の『週刊文春』(文藝春秋)による『週刊新潮』の中吊り広告の不正入手を指弾する特集「汚れた銃弾」の2発目が発射された。5月25日発売の週刊新潮の記事では、問題を受けての週刊文春の新谷学編集長(52)による編集スタッフへの説明の模様を伝えている。

「今更“それはない”と言えるような話ではないことはよく分かってると思う」
「10年前以上から始まっている」

 と、事前入手を認めていることを報じた。また、前週に引き続いて新谷編集長への取材も行っている。新谷編集長は事実関係について言葉を濁すが、

「受け止めるべきはしっかり受け止めようと思っている」

 と“カンニング”していた可能性を暗に認めるコメントをしている。これについて、全国紙社会部記者が指摘する。

「報道機関は、取材源の秘匿が大原則。文春に中吊りを提供していた取引会社は事実関係を認めているとは言っても、文春としては認められない。そもそも、胸を張れる行為ではありませんし」

 一方で同日発売の文春側は、自社記事では一切、この問題について触れなかった。ただ、文春で連載コラムを持っているジャーナリストの池上彰氏(66)が、この問題を取り上げた。文春が中吊りを事前入手していたことを前提としながらも、中吊りを参考に記事を書いていたかどうかについては踏み込まなかった。ただ、末尾は、

「『文春』さん、狡賢いと言われても仕方ありませんよ」

 と締めくくり、苦言を呈した形だ。

 今後の焦点は、入手した中吊りをもとに記事を書いていたかどうかにかかる。これは内部の者でしか分からず、文春はしらんぷりを決め込むことはできる。だが、前出の全国紙記者は「逃げ続けるのは難しい」と語る。

 その理由として、一連の行為が刑法に抵触する可能性があることを挙げる。

■文春は訴追、バッシングの窮地

「新潮は、文春による“カンニング”から身を守るために中吊りの掲載内容をトーンダウンするなどの措置を取らざるを得なかった。これは偽計業務妨害に当たる可能性があります。警察当局としても、文春を黙らせたい思惑があるので立件を検討するとみられます」(前出・全国紙記者)

 次に、これまでに文春砲の餌食となった者たちが中心となって、これみよがしに文春バッシングを繰り広げる可能性があることだ。

「文春に未成年少年との買春疑惑を報じられた武藤貴也衆院議員(37)や、経歴詐称疑惑を指摘された元キャスターの宮崎緑(59)などが、被害者という立場で新潮誌面で文春を非難しています。こうした者たちが様々な媒体で批判を展開すれば、文春の行き過ぎた報道姿勢に読者が背を向け、売り上げ減につながる可能性もあるでしょう」(週刊誌編集者)

 メディアのモラルが問われる今回の問題。苦境に立たされる文春がどう出るのか、注目される。

文・鈴木雄二(すずき・ゆうじ)
※1977年、神奈川県出身。全国紙社会部に在籍し、警察・検察などの事件取材や、ブラック業界、芸能界などの分野を幅広く取材している。主な著書に「警察のすべて」(宝島社刊・共著)がある。
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