世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第222回 グローバリズムと仏韓大統領選挙 (2/3ページ)

週刊実話

ITバブル崩壊を受け、製造業や輸出業が中心のドイツ経済は一気に不況に陥ったのである。
 その後、リーマンショック以降にユーロ危機が深刻化するに連れ、ドイツは失業率を引き下げ、逆にフランスは上昇していった。ドイツの2016年の失業率は、何と4.1%。対するフランスは10.1%。まさに、ドイツのドイツによるドイツのためのEUであり、ユーロであることが分かる。
 マクロン新大統領の誕生により、フランスはこれまでの「グローバリズムのトリニティ(規制緩和、自由貿易、緊縮財政)」を継続していくことになるだろう。ドイツ第四帝国路線というわけだ。

 さて、5月9日には、今度は韓国で大統領選挙が行われ、『共に民主党』の文在寅が勝利した。文在寅の経済政策はなかなか興味深く、「政府主導で経済成長」を掲げている。
 具体的には、警察官や消防士、医療・保育の公共機関職員を、新たに51万4000人採用。さらに、公共機関で働く約30万人の間接雇用(いわゆる派遣社員)を直接雇用に切り替える。
 財源は、歳入の自然増や予算見直しに加え、「大企業や高所得者層向けの増税」で賄う。
 と、明らかに「反グローバリズム」的な経済政策が中心になっているのだ。

 韓国は、アジア通貨危機&IMF管理により構造改革を強制され、グローバリズムの優等生として成長してきた。結果、正社員と非正規雇用、大企業と中小企業など、さまざまな所得格差が拡大。過去10年で正社員の月平均賃金は47%増加したのに対し、非正規は25%増にとどまった。また正社員にしても、大企業と中小企業の給与差は2倍に達している。
 若年層失業率は国連の国際労働機関推定で10%を超え、「恋愛」「結婚」「出産」「マイホーム」「人間関係」「夢」「就職」の7つを諦めざるを得ない“七放世代”が続出。2015年には「ヘル・コリア(地獄の朝鮮)」と、韓国を卑下する流行語が生まれた。
 相も変わらぬ財閥経済。財閥オーナー、オーナー一族、そして財閥役員が、新たな兩班(貴族)として振る舞い、多くの国民は過激な競争からこぼれ落ち、困窮していく。

 グローバリズムのまん延で、特に若い世代(40代以下)に蓄積されたルサンチマン(憤りの感情)が、「革命」的な発言を連発する文在寅を勝たせたのである。

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