アンビリーバボー!クマの襲撃から生還を果たした10の事例

滅多にないことであるが、クマに襲われることもある。お腹が空いて襲ってくるクマもいるかもしれないが、ほとんどの場合は驚いたり、怯えたりしていることが原因だ。
大抵なら食べ物をキャンプから遠ざけたり、大きな音を立てたりすることでそれを食い止めることができる。だが、ここで紹介する人たちはクマの襲撃を受けたもののなんとか生き残ったケースである。
・10. クマを蹴り飛ばした

動画:Mom Explains Surviving a Bear Attack(傷映像注意)
バージニア州在住のローリー・コックジーは、子供を連れてハイキングをしている途中でアメリカグマに遭遇した。バージニア州の推計によると、一帯には17,000頭のアメリカグマが生息しているが、人が襲われることはあまりないという。クマの方が先に人間に気づけば、姿を現そうとしないのが普通だ。
コックジーと子供は道の先に後ろ足で立ち上がったクマがいることに気がついた。すぐに逃げ出したが、追いつかれ背中を爪で引っ掻かれた。そこで山の斜面を降りてクマをまくことにしたが、それでも追ってくる。ついに足を掴まれたコックジーは思いっきり蹴っ飛ばす。クマがたじろいだ隙に逃げ出した。
・9. 2度もクマの襲撃から逃れたカメラマン

動画:JIM COLE BLINDSIDED INTERVIEW.m4v
野生動物を撮影するカメラマンが動物に襲われることもある。クマが大好きな写真家ジム・コールは、グリズリーの襲撃から2度も九死に一生を得ている。
アラスカ、グレイシャー国立公園で遭遇したクマは、威嚇として突進する振りをなんども繰り返した末、ついに本当に襲い掛かり、コールの頭と腕に噛み付いた。それから数年後、彼はまたもやメスのグリズリーに遭遇し、その爪で目を奪われた。
彼はどちらの襲撃も生き延びた。だが、2度目の襲撃後、間もなく心臓の病気で亡くなった。危険な目にあった彼であるが、それでも動物を愛し、クマの保護を訴え続けた。
・8. シャベルで応戦

ニック・パトリックはワイオミング州コーディの敷地で作業していたとき、グリズリーの母親に遭遇した。クマは驚いて防衛反応をとった。これはクマ襲撃の最も一般的な原因である。
彼は手に持っていたシャベルで応戦するが、ほとんど効果はない。だが顔に一撃を食らったクマは怯んで、ふらふらと彼から距離をとった。ところがそれは子グマがいる場所と逆の方向だったのだ。母グマは子供のもとへ戻るために再び彼に向かって突進してきた。
信じられないことに、パトリックは2回も攻撃されながら自力で帰宅。しかし足の怪我もさることながら、鼻を失っていた。
最初、クマに対して怒りを感じた彼であったが、しばらくして考えが変わったという。結局、クマがいることを甘く見ていた彼自身の落ち度であり、クマはただ子供を守ろうとしただけなのだ。
・7. 山小屋へ避難

カナダでのニアミスである。クマと遭遇したニッキ・ラッタはすぐそばの岩棚から飛び降りて逃げ出そうとした。しかし友人のリンゼイ・ジョーンズを置いていくわけにはいかなかった。そこで2人で大きな音を立ててクマを追い払おうとした。この方法はラッタが以前サバイバルコースで学んだものであったが、まるで効果がなかった。
しかし、きわめて幸運だったことに、近くに山小屋があった。ジョーンズがガラス窓を破って2人は中に避難。中へ侵入しようと試みるクマに怯えつつ、どうにか携帯電話で救助を要請した。アメリカグマは攻撃を止めないため、襲われた際は安全な場所に避難することを専門家は勧めている。
・6. 防御態勢でうずくまりながらなんとか生還した男性

動画:Hiker Details How He Survived Being Horrifically Attacked By Grizzly Bear Twice(傷映像注意)
トッド・オーアはモンタナ州でグリズリーに遭遇。この地方にはクマが多いため、彼は大きな音を立てながら歩いていた。しかし運悪くクマに出くわしてしまい、襲われた。クマ除けスプレーを噴射してみたが、効き目はない。残された手段は頭と首を手で守りつつ、うずくまることだけだった。
最初の攻撃をしのいだ後、どうにかトラックの許にたどり着く。だがクマに彼を逃すつもりはなかった。再び、一層激しく襲いかかって、頭皮を剥ぎ取った。オーアはこれもしのぎトラックに乗り込むと、そのまま病院まで運転した。オーアのようにきちんと備えていても、ダメなときはダメなのである。
・5. 唐辛子スプレーで撃退したハンター

カメラマンだけでなく、ハンターもクマとの遭遇は日常茶飯事だ。マーク・マセニーとフレッド・バンソンは、弓で狩猟を行なっていた最中に、子グマを連れたグリズリーに出くわした。
怯えさせようとマセニーが叫んだところ、逆にクマは突進して、顔に噛み付いた。悲鳴を上げ、パニックに陥ったことで状況はさらに悪化した。
どうにか気を散らそうとするバンソンを尻目に、クマは再度マセニーに攻撃を加えようと振り返った。マセニーは死んだ振りをして覚悟を決めた。そのときバンソンは唐辛子スプレーを熊めがけて噴射。堪らずクマは逃げていった。
マセニーはこの事件の後、仕事を辞めて、クマ除けスプレーを開発する会社を設立した。転んでもただでは起きない男である。
・4. 助けの叫び

動画:When Animals Strike - Bear Attacks Dad
ヨハン・オッターとジェンナ・オッターは親子でハイキングチームに参加している。死にかけたのはグレイシャー国立公園でのことだ。
道の角を曲がるとメスのクマがいた。娘を守るため、ヨハンは自らの身を呈してクマの突進を防いだ。クマは斜面が苦手だという話を聞いたことがあった彼は、娘と山腹を駆け下りた。しかしヨハンは危うく崖から転落しそうになる。グリズリーは娘に目を向けた。
傷が酷かったヨハンはジェンナのところへ駆けつけられなかった。ジェンナが死んだ振りでクマの襲撃を耐え、やがてクマは去った。
それから2人は何時間も大声で助けを求め、ようやくそこを通りかかったハイキング客に救われた。ヨハンは頭皮のほとんどを失い、ジェンナも酷い怪我を負った。それでも生き残った。
面白いことに、怪我が癒えたヨハンは再び同じコースに行き、もともと行くはずだったゴールにたどり着いている。彼によると、この出来事から完全に立ち直るために必要なことだったそうだ。
・3. 救命信号

最も恐ろしいグリズリーの襲撃の1つは2011年に起きた。アラスカで1ヶ月におよぶサバイバル旅行をしていた7人の若い男性グループが、クマに襲撃された。
最初にクマに遭遇したのは、ジョシュア・ベルクで、キャンプに戻ろうとしたところを襲われた。助けに駆け寄ったサム・ゴッツィーゲンも襲われた。ノア・アレールは胴体を噛まれたうえに、爪で切り裂かれた。
クマはまた別の少年に軽い怪我を負わせてから立ち去った。グループは3人が重傷を負った状態で自然の中に取り残されてしまった。幸いにも遭難時の救命信号を所有していたため、これを点灯させて救助を要請。数時間後、ヘリコプターが到着し、九死に一生を得た。
だが、7人いたにもかかわらずクマが襲いかかったことは不思議である。通常、クマは集団に近寄ることはなく、ハイキングの際は大勢で行くことが推奨されているほどなのだ。
・2. クマの口に手を突っ込んだ

動画:WILD! Hunter Escapes Grizzly Attack by Shoving Arm Down Bear's Throat
チェース・デルウォほど大胆な反撃に出た人間は少ないであろう。デルウォはヘラジカの狩猟を行なっていた際にグリズリーに遭遇した。
うたた寝から起きたばかりのクマは不機嫌で、折悪くそこに彼が通りかかった。彼は大型動物は咽頭反射が強いという文献を読んだことがあった。何度か噛まれた後、死ぬよりはマシだと、腕をクマの口に突っ込むという賭けに出た。そして賭けに勝った。病院で何針も縫う傷を負ったが、クマは逃げ出した。
・1. ナイフで刺した

アラスカ州コディアック島のハンター、ジーン・モウは腹を空かせたヒグマに襲われた。モウはまるでボクシングの選手のようにヒグマの猛攻をかわしつつ、ナイフを振った。爪が皮を裂き、体も投げ出された。だが、ついに首にナイフを突き立てることに成功。そのままクマの目をめがけてパンチを放った。そして逃げ出したクマへ銃弾を撃ち込んだ。
剥製師にクマの遺体を見せるまで、モウの話を信じる者は誰もいなかった。襲われたときモウはすでに60歳だったのだ。死んだ振りもいいかもしれない。だが、彼の行動は根性と覚悟で道が開けることを我々に教えてくれている。
via:Top 10 Unusual Ways People Have Survived Bear Attacks/ translated hiroching / edited by parumo