ジャーナリスト・森健が突きとめた、名経営者・小倉昌男の「素顔」と「失敗」(前) (2/3ページ)

新刊JP

――そこにはすでに「小倉昌男が46億円の私財を投じて福祉活動に熱を注いだのは何故か」というテーマがあったわけですか?

森:そうです。ただ、もちろんどんな答えが返ってくるからは分からない。どういう取材になるのかも未知数のままスタートしました。

――この本が終わる場所はアメリカのロサンゼルスです。まさかここまで辿りつくとは…という印象でした。

森:自分でも意外でしたね。ノーアイデアで始まった取材がここで終わるとは。

――取材を始める際に、小倉昌男が福祉活動に熱を注いだ理由の仮説は考えていなかったのですか?

森:もちろんあって、それは宗教だと思っていたんです。彼がクリスチャンであることは知っていましたし、その部分を深掘りできるのではないかと思っていました。ただ、彼を知る人たちに会って話を聞いていくと、まるで違う方向に話が進んでいくんです。それで行きついたのが家族でした。

――ヤマトホールディングス本社には取材されたのですか?

森:最初に取材の申し込みをしたのですが、その段階で断られました。でも、今では本社の協力を得なくて良かったと思います。もし積極的に協力を受けていたら、あちらが出したい情報しか得ることができなかったかもしれないですから。

――「経営者・小倉昌男」の側面しか掘れなかった。

森:そうでしょうね。そこでシフトチェンジをして、福祉関係者や宗教面から詰めていったという流れです。

すると、次々に経営者・小倉昌男像とはまったく違う小倉昌男の姿が出てくるわけです。基本的に取材は人づてで、彼の旧友や幼馴染みなどにもアクセスする中で、「この人は意外といろいろなところでお金を使っている」ということが分かってきます。

北海道・幕別町の修道院や奥さんの故郷である静岡県旧蒲原町(現静岡市)への福祉基金へ寄付したりと、ずいぶんとお金をばら撒いているわけですね。

小倉さんには子どもが二人いました。

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