【医師監修】乳がんになりやすい人の特徴って? 乳がんのセルフチェックの仕方
「セルフチェック(自己検診)でも見つけることができるがん」と言われている乳がん。早期の段階で発見できれば助かる可能性も大幅に上がるので、日々のセルフチェックが大事と言えそうです。そこで今回は、乳がんになりやすい人の特徴や乳がんの初期症状、セルフチェック方法などについて、乳腺外科医の森美樹先生に解説してもらいました。
■乳がんになりやすい人の特徴って?
まずは、乳がんになりやすい人の特徴について、チェックしてみましょう。
◇(1)乳がんにかかった血縁者がいる人
母親や姉妹など、家族や親族に乳がんにかかったことのある人がいる場合は、要注意。同じような体質を受け継いでいるため、乳がんになりやすいことがわかっています。また、乳がんになったことがある人の血縁が近ければ近いほど、リスクはアップ。家系に乳がんの人が多くいる場合は、気をつけましょう。
◇(2)出産経験がない・出産回数が少ない・初産年齢が高い人
出産経験のない人は、出産経験がある人に比べ、乳がんになりやすいと言われています。そのため、出産回数が多いほど乳がんのリスクは下がります。5回以上出産したことがある人は、出産経験のない人に比べて乳がんのリスクは約半分です。また、若いうちに出産をするほど乳がんのリスクは少なくなります。しかし、30歳以上で初めての出産をした人は、出産経験がない人より、乳がんのリスクが高くなることも報告されています。
◇(3)授乳経験がない・授乳期間が短かった人
授乳は子どもにとって大切なものですが、お母さんにとっても乳がんのリスクを下げるメリットがあります。授乳期間が1年長くなるごとに、乳がんの発症リスクは約4%下がると言われています。
◇(4)ホルモン補充療法を受けた人
閉経後に、エストロゲンと黄体ホルモン(プロゲステロン)を併用したホルモン補充療法を受けた人も、乳がんのリスクが高まります。更年期のつらい症状は、ホルモン補充療法で和らげることができますが、一方で乳がんになりやすくなるリスクも考慮しましょう。また、エストロゲンと黄体ホルモンを併用したホルモン補充療法を5年以上行った場合、乳がんのリスクが高まることが報告されています。
◇(5)太っている人
「肥満は万病の元 」ということは広く知られていますが、乳がんになりやすくなることもわかっています。特に、閉経後の肥満はリスクが高いです。
◇(6)背が高い人
意外と知られていませんが、背が高いことも乳がんのリスクになることがわかっています。
◇(7)マンモグラフィ高濃度乳腺がある人
乳房は乳腺と脂肪から成り立っていますが、脂肪が少なく乳腺の割合が多い乳房を高濃度乳腺と言います。高濃度乳腺の人は、そうでない人に比べて、乳がんになりやすいと言われています。
■乳がんの初期症状って?
セルフチェックをするときにポイントとなる、乳がんの初期症状を見ていきましょう。
◇(1)しこり
乳がんのもっとも多い自覚症状が、乳房のしこりです。痛みをともなわないことが多いので、触らないと気づかないことも。また、乳房のふくらみの部分だけではなく、周辺部分やワキにしこりができて気づくことがあります。
◇(2)乳頭からの分泌
ブラジャーについている分泌液で気づくケースが多いです。両方の乳房から出る白色や透明の分泌液は心配ありませんが、一箇所からのみ出る分泌液、特に血のような色の場合は注意しましょう。
■乳がんのセルフチェック方法・2つ
乳がんのセルフチェックがわかったところで、実際にセルフチェックをしてみましょう。
◇(1)視診
鏡を見ながら皮膚のひきつれやくぼみがないか確認してください。また、腕を上げて乳房の下も見てみましょう。
◇(2)触診
乳腺がある場所であれば、どこでも乳がんができる可能性があります。乳房のふくらみがある部分よりも少し広めに触ってみましょう。しこりか乳腺かわかりづらい場合は、反対側の乳房や乳房と比べてみてください。
◇(3)いつセルフチェックすればいいの?
月経がある場合は生理が終わるころ、閉経している場合は、月1回程度で行いましょう。セルフチェックで見つけられない乳がんもあるので、何もなくても、40歳になったら定期的な検診は必ず受けたほうが安心です。
■必ずしも「しこり=乳がん」ではない?
もし、セルフチェックでしこりが見つかっても、すべてが乳がんとは限りません。ここでは、乳がん以外の可能性について解説します。
◇(1)線維腺腫
乳腺線維腺腫は、乳房の良性腫瘍の中でもっとも多い病気です。乳腺と周囲の線維成分がともに増殖して、しこりとなります。若い女性に多く、女性ホルモンが影響していると考えられています。マンモグラフィや超音波検査などの画像検査や針生検で線維腺腫と診断されれば,特別な治療は必要なく、乳がん発症とは関係ありません。しかし、しこりが急速に大きくなる場合は、手術で切除することも。また、閉経後にしぼんでしまうことがあります。
◇(2)嚢胞(のうほう)
乳管というミルクを運ぶ管の中に液体がたまって、袋状に膨らむものです。特に治療は必要ありません。
■まとめ
乳がんは、定期的なセルフチェックや検診が大切。常に自分の胸の状態を把握しておくといいかもしれませんね。また、しこりや分泌液などを発見した場合は、すぐに病院に行きましょう。
(監修:森美樹)
※画像はイメージです