AV出演強要問題避けるためにスカウトが採用した「新しい手口」

まいじつ

Graphs / PIXTA(ピクスタ)
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アダルトビデオ出演の強要が社会問題化するなか、政府は先ごろ、警察庁など関係省庁の幹部を集めて対策会議を開き、全国の警察に担当の『専門官』を配置するよう指示した。

この問題が大きな関心を持たれるようになったのは、昨年10月、セクシー女優の香西咲が週刊誌に“意に沿わない形”での出演強要を告白したことがきっかけだ。その後、相談の窓口となる人権団体もできた。

そうしたなかで、大阪府警が5月29日に「1日に5万円、3日で20万円を払う」として18~19歳の少女を『コスプレモデル』と偽りインターネットで募集、アダルトビデオへの出演をさせた金沢新一容疑者を、職業安定法違反(有害業務の募集)とわいせつ電磁的記録媒体頒布の両容疑で逮捕した。モデル募集サイト『Moe★Moe Style』を運営していた金沢容疑者から押収したわいせつなDVDは、約6万8000枚にも及んだ。

「スカウトマンが女性への口説き文句として『読者モデルやりませんか?』と街で声を掛け、ターゲットが現場に来ると、すでに裸の男優が待ち受けて『聞いていない』と主張しても押し切られて泣き寝入りするようなケースは、すでに昔の話です。いまは、わざとスカウトマンに引っ掛かって『出演強要された』と弁護士を立てて慰謝料をふんだくる“逆強要女優”も出てきています。きちんと“手順と確認”を重ねないといけません」(AVライター)

かつては、AVメーカーと女優が現場で「そこまでやるとは聞いていない」というような話や、女優が所属事務所と金銭で揉めたなどのトラブルは多々あった。そうした類いの揉め事は、女性を事務所に引き渡したら仕事は完遂、というスタイルのスカウトマンには無縁であるはずだった。

強要ではないと証明するための手順

「声を掛ける時代は終わり、現在はインターネットのサイトで《着エロモデル募集》、《エステのモデル募集》などと、表向きは“あなたの美貌で稼げます”といったような美辞麗句を並べ、サイトを訪ねてきた女性にうまく取り入り、対面するところまで持っていく。これが現在のスカウトマンの仕事です。この段階では、もちろん“AV”という単語は使えないし、事務所に所属させる際には女性から連絡が来る形にしなくてはならない。そうでないと、後で“強要”と認定されるからです」(同・ライター)

このような手順を踏んでようやく「実はAVの話なんだけど」と説得が始まるそうだ。段取りがいくつもあるが、これもあとから「強要された」と主張されないための重要なやりとりなのだという。

「いまはコンプライアンスが厳しいので、作品を撮影する際は、AVメーカー、女優、女優が所属する事務所のマネジャーと『どこまでのプレイを許容するのか』、『拘束時間は何時間か』など撮影内容を緻密に決める“3者協議”をしてから撮影に入ります。なので、以前のようなトラブルはかなり減ったはずです。国策で取り締まりが強化されるなら、スカウトマンは逆手にとって女性に『どこまでならできるか明確にしておこう』と何重にも確認すれば、もともとお金がほしい出演希望者は全国にちらばっているのだから、かえって儲かるのではないでしょうか」(同・ライター)

アダルト業界の危機ともいえる国策は、スカウトマンを喜ばせることにもなりかねないようだ。

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