「便秘解消」だけじゃない! おからが持つダイエット効果3つ
バナナダイエット、りんごダイエット……など。ダイエットに効果のあると言われる食べ物にはさまざまありますが、おからにもダイエット効果があるようです。今回はおからを取り入れたダイエットの方法と効果について、管理栄養士・園部裕美さんの解説を元に紹介します。
■おからがダイエットにいい理由
まずはじめに「おから」がダイエットになぜいいのか、その理由について探っていきましょう。管理栄養士の園部さんに教えてもらいました。
◇おからのカロリー&栄養素
おからは豆腐を作る際に、豆乳を絞った搾りカスですが、豆乳や豆腐に豊富に含まれるたんぱく質や食物繊維、マグネシウム、カルシウム、ビタミンB2などの栄養素が多く含まれます。エネルギー(カロリー)は100gあたり111kcalと、特別に低いというわけではありませんが、炭水化物、たんぱく質、脂質の三大栄養素がどれもまんべんなく含まれており、バランスのとれた食材です。
特に、食物繊維の多さは際立っているため、「今日の食事は食物繊維が足りないなぁ」という時や「便秘気味……」という時にメニューとして1品プラスするのがオススメです。
◇豆腐とおからのちがい
一食で食べる分量を豆腐は100g、おからは50gとすると、おからのエネルギー(カロリー)は絹豆腐とほぼ同等です(木綿豆腐の方が少し高い)。たんぱく質の含有量は、おからを1とすると木綿豆腐は2.2倍、絹豆腐は1.6倍です。ビタミンに関しては、豆腐とおからに差はほとんどありません。ミネラルに関しては、豆腐とおからでほぼ差はないですが、カルシウム、マグネシウム、亜鉛は豆腐(特に木綿)の方が多く含まれます。
おからが豆腐よりはるかに多く含まれている栄養素は「食物繊維」です。おからは豆腐の約15倍もの食物繊維が含まれています。
◇おからが持つダイエット効果
☆食べ過ぎや間食を防止
前述した通り、おからは食物繊維が豊富です。一食で食べる量を50gとしても5.8gの食物繊維が摂れます。これは、1日の食物繊維の目標量(成人)の約1/3に当たります。このように、おからには食物繊維が豊富に含まれるため、食事に取り入れることで満腹感が得られやすいため食べすぎを防げるほか、腹持ちもいいため間食を防ぐ効果もあります。
☆便秘解消に効果
おからに含まれる食物繊維は、そのほとんどが不溶性食物繊維といって、水に溶けないタイプの食物繊維です。保水性が高く、おなかの中で膨らんで腸を刺激し、腸のぜん動運動を促します。
上記の作用は、「弛緩(しかん)性便秘」という、腸のぜん動運動が弱いために起こる便秘に効果があると言われています。そのため出産や老化、運動不足、食生活や生活リズムの乱れが原因で腸の働きが弱まっている、という人は積極的に摂取したいものです。しかし、摂りすぎると逆効果になることもあるので、適量(一食50g程度)を心がけましょう。
☆オリゴ糖で腸内環境をさらによく
ダイエットの成功には、「腸内環境の改善」も欠かせません。腸内環境がととのえば、消化吸収の機能が正常化し、十分な栄養素が体にまわるようになるためです。これにより食べすぎが抑えられたりするほか、余分なコレステロールが体内にとどまるのを防ぎます。
おからに含まれる「オリゴ糖」には、腸内で乳酸菌やビフィズス菌のエサとなり、体にとっていい影響をもたらす菌の増殖を助ける働きがあります。また、酢酸やプロピオン酸、酪酸などの短鎖脂肪酸(たんさしぼうさん)を作る作用もあり、栄養素の吸収や脂質の代謝を促します。
■おからを取り入れたダイエットの方法&注意点
おからが持つダイエット効果がわかったところで、続いて実際の方法について見ていきましょう。1回あたりの摂取量や、食べるタイミングについて教えてもらいました。
◇おからを取り入れたダイエットの方法
いつでもメニューにプラスできるよう、おからを取り入れた一品を常備しておく手もあります。これを行うだけで、「食物繊維」の摂取量を格段にアップできます。
◇注意点
☆食べすぎはおなかが張ってしまう原因に
おからに含まれる不溶性食物繊維は、水分を吸収するため食べ過ぎるとおなかが張ってしまうことがあります。また、「けいれん性便秘」(環境の変化など精神的なストレスや自律神経の乱れによって起こる便秘)の人が食べ過ぎると、症状が悪化してしまう可能性も。そのため、いくら食物繊維が多くて栄養価に優れているといっても食べ過ぎは厳禁です。
☆調理する際は、「水分」は多め、「油」は控えすぎない
おからは水分を吸着するため、調理する際は水分を多めに、または摂取する際に水分を一緒に摂ることが重要です。また、ヘルシーに仕上げたいからといって油を少なめに調理するとおいしくなくなってしまうため、油は控えず適度に量を使い、おいしく仕上げましょう。ダイエットは低カロリーではなく、高栄養(カロリーだけでなく様々な栄養素)を意識することが重要です。
☆生おからは賞味期限に注意
おからは、生タイプと乾燥タイプがありますが、生おからは賞味期限が短いため購入したらすぐに使う必要があります。栄養価はどちらも変わりませんが、乾燥おからの方が少しコストがかかるでしょう。
乾燥おからを使うときは、3~3.5倍の水で戻してから使います。生おからは、冷凍もできますが、1週間ほどで使い切った方がいいでしょう。弱火で15分ほど乾煎りしてから冷凍させると1カ月ほどもちます。また、炒り煮やハンバーグなど、調理をしてから冷凍する方法もありますが、こちらも1~2週間で食べきるようにしましょう。
■おすすめ! おからを使ったアレンジレシピ
おからにダイエット効果があるといっても、毎日食べていたら飽きてしまいそうですよね。そこで最後に、おいしくてダイエットにも効果的なおからのアレンジレシピについて教えていただきました。
◇おからのトマトソースニョッキ
☆材料(2人分)
生おから……200g 塩……小さじ1/4 片栗粉……大さじ4~5 水……大さじ2 にんにく……1かけ 玉ねぎ……1/4個 オリーブ油……大さじ1/2 トマト缶(ホール)……1缶 しめじ……100g ブロッコリー……100g 塩……少々
☆作り方
(1)にんにくと玉ねぎはみじん切り、しめじとブロッコリーは食べやすい大きさにする。 (2)フライパンにオリーブ油を熱し、にんにくと玉ねぎを炒める。しっかり炒めてから、トマト缶をつぶしながら入れ、しめじ、塩を加えて、弱火で蓋をして煮詰める。 (3)ソースを煮ている間にニョッキ作り。ボウルにおからと塩を入れて混ぜる。片栗粉を入れてさらに混ぜる。水を入れて混ぜ合わせ、手で握りつぶすようにまとめていく。食べやすい大きさに丸め、平たくし、真ん中を少し潰す。熱湯で浮いてくるまで3分ほどゆで、ザルにあげる。 (4)煮詰まってきたらブロッコリーを入れてさっと混ぜ、ニョッキを加える。ソースをからめて完成。
※おからの水分量によって、片栗粉の量を調整してください。茹でる時に、溶けてしまうようだと、片栗粉が少ないです。
◇おから入りきんぴら
☆材料(2人分)
ごぼう……1/4本 にんじん……1/2本 ピーマン……1個 しょうが……0.5片(5g) 生おから……50g なたね油……大さじ2 七味唐辛子またはごま……少々 ごま油……小さじ1
(A) しょうゆ……大さじ2 みりん……小さじ2 水……大さじ1
☆作り方
(1)ごぼう、にんじん、ピーマン、しょうがは細めの千切りにする。 (2)フライパンになたね油を熱し、ごぼう、にんじん、しょうがを炒める。(A)を入れて、弱火でふたをして煮詰める。時々混ぜながら、火が通るまで熱し、野菜に火が通ったらおからを加える。 (3)汁気がなくなるまで中火で炒め、最後に七味唐辛子(またはごま)とごま油を加えてさっと混ぜる。
■まとめ
おからの持つダイエット効果と食事への取り入れ方について紹介してきました。いかがでしたか? おからはヘルシーな上にダイエットのサポートもしてくれる、女性にとってうれしい食材です。価格も安く、スーパーで簡単に購入できるので、ぜひ日々の食事のおかずに一品プラスしてみてはいかがでしょうか?
(監修:園部裕美)
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