豊田真由子女史の暴行騒動を一個人の問題で終わらせて良いのか|やまもといちろうコラム (2/2ページ)

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■問題に直面したときの人間性

 最近だと、築地移転について不満を抱える仲卸業者への都庁職員や市場問題対策プロジェクトチームの説明に対して、ほとんど人間性さえも否定するかのような暴言めいた罵倒を重ねる質問者が後を絶ちませんでした。もうね、相手が社会人であるとか、人間の品性品格などというものをすべて捨て置いた、ガチの誹謗中傷を堂々と公務員の前で投げつけるわけです。

 こういうのを見ると、現代社会にもいろんなところに豊田真由子的なブチ切れワールドという小さな宇宙が存在していて、都度都度部下や秘書や公務員や立場の弱い人たちに鬱憤を晴らすような酷い言葉を荒々しく叩きつけることになるのだろうと思うわけですね。

 そして、それは日常的に何か問題があるたびに起こっていることであって、ある意味でそういうものをうまく捌くのが政治だ、行政だ、みたいな不文律すらも感じさせる事態になっているのでしょう。

 そういう悪辣なことを言う連中は議事妨害の内容をすべて文字に起こしてバンバン裁判を起こしてしまえばいい、という気持ちもなくはないですけど、先にも述べた通り怒りを表明している人は正義だと思い込んでいるわけです。豊田真由子女史も、田中慧さんが解説する通り悪しき政治を志した人とはとても思えません。問題に直面したとき立場の弱い人に何を言うかという人間性の問題であり、そういう問題を爆発させるのが政治の場である以上、官僚や公務員、政治家の秘書といった「公僕やそういう類の仕事の人」は良いやられ役になってまとめ切れて一人前みたいな社会になってしまっているのかも知れないのです。

 個人的には、そういう問題も乗り越えて、豊田真由子女史には開き直ってほしいし復活してほしいと思います。いや、別にハゲって罵られたいわけじゃないけど。

著者プロフィール

やまもといちろうのジャーナル放談

ブロガー/個人投資家

やまもといちろう

慶應義塾大学卒業。会社経営の傍ら、作家、ブロガーとしても活躍。著書に『ネット右翼の矛盾 憂国が招く「亡国」』(宝島社新書)など多数

公式サイト/やまもといちろうBLOG(ブログ)

やまもと氏がホストを務めるオンラインサロン/デイリーニュースオンライン presents 世の中のミカタ総研

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