松本大洋が装画! 気鋭の映画監督が描く“しゃべるぬいぐるみとの最期の時間” (2/2ページ)

新刊JP

そんなある日、部屋で「星太朗とムッシュのひみつノート」という古いノートを見つける。開いてみると、そこには「お母さんみたいな小せつ家になりたい(星)」「コアラと遊びたい(ム)」「ムッシュにババぬきで勝つ(星)」「鳥になりたい(ム)」「コアラのマーチを死ぬほど食べたい(星)」という「二人の夢」が書かれていた。

これを見たムッシュは、夢を書き足してそれらをやっていこうと持ち掛け、星太朗は一番目の夢「小説を書く」とおそるおそる、壁に太いマジックを走らせる。

星太朗とムッシュは、二人の夢をひとつひとつ実現させていくことにしたのだ。

作者の片岡氏は、2010年、『くらげくん』でぴあフィルムフェスティバル準グランプリを受賞、同作にて全国各地の映画祭で7つのグランプリを含む13冠を達成する。2014年に初の長編映画『1/11』で商業映画デビュー。脚本家として、映画『きいろいゾウ』『夏美のホタル』などを手掛けている。

小説家デビュー作となる本作は、『鉄コン筋クリート』『ピンポン』でお馴染みの漫画家・松本大洋氏の描き下ろしという豪華な装画となっている。

ぬいぐるみがしゃべりだす、主人公が病魔におかされる――こうしたシチュエーションはある種、「ベタ」だ。しかし、必死にもがいても運命には抗えないと分かっていても、困難に立ち向かい、自分自身を乗り越えていこうとする星太朗とムッシュの友情は胸が熱くなる。

「ベタ」だからこその面白さは私たちを裏切らない。この夏、心に切なさと爽やかさをもたらしてくれる一作だ。

(新刊JP編集部)

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