吉田豪インタビュー企画:北条かや「コンプレックス解消のために美容整形した」(3) (3/3ページ)

デイリーニュースオンライン

■自分が普通の人と違うのかどうかわからない

──このインタビューを読んで、北条さんがこういう人なんだってわかってもらえたらいいですけどね。

北条 伝わりますかね……。水道を止めたエピソードはぜひ書いてください。

──人間性が伝わればだいぶ変わるとは思うんですけどね、こういう人なんだからしょうがないっていう。

北条 そうですね、もっとそういう文章を書いたほうがいいですか?

──ボクはそっちを望んでますね。「みんな怒ってるけど、落ち着いて! この人はこういう人ですから!」って伝わると思うので。

北条 そうですね。他人に怒られた時は必ず謝るんですけど、謝るのを繰り返しててもダメですし。私が炎上して謝罪するやり方って、結婚してた時に、「同居人がなんかわかんないけど怒ってるから、とりあえず土下座しとこう」みたいな、そういう感じなんですよね。

──ああ、結婚したときに悪い対処の仕方を学んじゃったんでしょうね。

北条 土下座して、向こうの怒りが収まるまで待つしかないっていう状況が3年間ぐらいあると、怒られても理由を考えるより先に謝罪するしか対処法がないので、理由を考えないんです。考えても相手の虫の居所が悪いと、「違う! わかってない!」って言われるだけです。もともと「アスペだろう」とからかわれてて、人の気持ちがあんまり想像できない人間が、結婚生活でさらに過剰な謝罪をするようなコミュニケーションを強化したのが今の自分です。自尊心の低さが定着して、その精神で生きていると、怒られたらもう切腹するしかないです。

──ボクはこの本を読んでるときに能町さんともやり取りしてたんですけどね。

北条 能町さんとしては暖簾に腕押し的な感じだったんですか?

──まあ、そんな感じでしたね。

北条 「あいつしょうもねえな」みたいな感じでしょうか。ある意味、考えても無駄な人って感じになるのかもしれません。

──これは別ルールで生きてる人だなってことを実感したと思うんですよ。

北条 別ルールなのかっていうことが私はイマイチわかってないのがダメなんですよね。一生わからない気がして。

──この無意識な感じを伝えるのがボクの仕事だと思うんですよ。

北条 ぜひお願いします。

──この人どうかしてるけど、そこが一周りして面白いよっていう。

北条 どうかしてるんですかね? 全然普通ですよ。豪さんみたいに文章で表現される仕事の方には、普通の人だと思われてるんだって、今まで思っていました。

■もっと自分のみっともないエピソードを書きたい

──ずっと言ってますけど、北条さんは社会学よりもエッセイのほうが絶対に向いてると思いますよ。もっと自分をさらけ出したほうが、人としてのおもしろさがこれだけある人なんで。

北条 失礼さなんですかね?

──失礼さもナチュラルにありますけど。これが『モーニングCROSS』とかでナチュラルに出始めたらすごいと思いますよ。

北条 『モーニングCROSS』で秋田美人について話したんですよ。秋田の女性の人数を日本の人口で割って、秋田美人がプレッシャーを感じてるっていう話のときに、「秋田の20代から40代の女性は日本人のなかでは0.00005%しかいないんですよね。そして、このなかに美人じゃない人も入ってます」って言ったらみなさんが苦笑いしてて。自分としてはマズいこと言ったかなと思ったんですけど。そういう発言がナチュラルに失礼なんですかね。

──まだ大丈夫ですよ、「秋田の勘違いブス」とまで言ってないんで(笑)。

北条 そうですね、テレビではちょっと気をつけてます。もうちょっと自分を出して……問題は自分を出そうにも出版業界から本格的に干されちゃったら、特に編集者さんから嫌われたらもう終わりですよね。そこがすごい気になってるというか不安です。自分は女性編集者さんが好きなんですよ。編集者っていうお仕事はものすごく大変なのに、それを何年も続けられるのはすごいですよね。しかも著者のいいところをすくい出せる力って自分にはないものなので。そういう自分が尊敬する女性たちから嫌われたっていうのが怖いです。

──また一から信用を作っていきましょうよ。

北条 できますかね? 全然できる気が……この本自体、タイトルが結構大変なことになってしまって。

──タイトルでまず叩かれてましたからね。

北条 で、またそれが「炎上を狙ってる」って言われると、自分は全然炎上なんて狙ってないし、なんで叩かれるのか全くわからない。でも、叩かれたことで編集さんたちから「あ、こいつに本を出させたくないな」って思われてしまうのが怖いです。かといってTwitterで「この本を読まずに批判する人はバカ」とか書けないじゃないですか。

──当たり前ですよ、それはやめてください(笑)。

北条 Twitterは書けば書くほど状況が悪くなると思うので、Twitterで「この本を読んでください」ってアピールすることもできず、アメブロでは本の話をあんまりしないのが普通なので。この本が売れるのか、そこが不安ですね。

──大丈夫ですよ、ボクは「途中まではホントにおもしろい」って各地で公言してますから。

北条 ありがとうございます。もっといろんなみっともないエピソードがあるので、書けたらいいなと思います。

──ぜひそっちの方向でお願いします。

北条 はい、そっちの方向でやっていこうと思います。

(了)

プロフィール

著述家

北条かや

北条かや(ほうじょうかや):1986年、石川県出身。同志社大学社会学部卒業、京都大学大学院文学部研究科修士課程修了。自らのキャバクラ勤務経験をもとにした初著書『キャバ嬢の社会学』(星海社新書)で注目される。以後、執筆活動からTOKYO MX『モーニングCROSS』などのメディア出演まで、幅広く活躍。著書は『整形した女は幸せになっているのか』(星海社新書)、『本当は結婚したくないのだ症候群』(青春出版社)、『こじらせ女子の日常』(宝島社)。現在、美容整形に関するサイト『NICOLY:)[ニコリー]』(https://nicoly.jp)のアンバサダーも務めている。

プロフィール

プロインタビュアー

吉田豪

吉田豪(よしだごう):1970年、東京都出身。プロ書評家、プロインタビュアー、ライター。徹底した事前調査をもとにしたインタビューに定評があり、『男気万字固め』、『人間コク宝』シリーズなどインタビュー集を多数手がけ、コラム集『聞き出す力』『続 聞き出す力』も話題に。新刊『吉田豪の“最狂”全女伝説 女子プロレスラー・インタビュー集』が6月30日に発売。

(取材・文/吉田豪)

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