女房がいれば何でもできる?アントニオ猪木に骨肉の”金銭トラブル”

デイリーニュースオンライン

Photo by Magdalena Roeseler(写真はイメージです)
Photo by Magdalena Roeseler(写真はイメージです)

 東京都議選で大勝した<都民ファーストの会>だが、すぐに代表だった小池百合子都知事(64)が辞任。後任には、小池百合子知事の特別秘書だった野田数氏が就任した(注1)。とはいえ……この野田数代表、1120万円の公金横領で告発されたことをご記憶の向きも多かろう。かつて自分の秘書を務めていた彼を訴えたのは、<燃える闘魂>アントニオ猪木参院議員(74)だった。

 疑惑には野田代表も真っ向から反論しているため、成り行きを見守る他ないのだが、猪木氏はそれどころでは無いはず。かつての腹心の部下たちや<息子>から、自らも訴訟を起こされているからだ――。

 アントニオ猪木氏サイドを告発したのは、サイモン・ケリー猪木氏(43)。名前から分かるように猪木氏の実の娘の夫、つまり義理の息子だ。

 身内から矢が飛んできた理由は、猪木氏が2007年に設立したプロレス団体、IGF(注2)を巡るトラブル。創立者であり、いまも筆頭株主である猪木氏が同団体を「整理する方向」と発言。別の格闘技団体ISMを立ち上げるなど、急速に距離を取り始めた。猪木氏サイドはIGFの経営に不透明な点があるとして、取締役3人の解任を要求。その一人がサイモン氏というわけだ。

「しかしサイモン氏らは<猪木さん、目を覚ましてください>と、金の成る木である猪木氏には未練タラタラ。実は猪木氏本人より、ターゲットは猪木夫人なんです。訴訟も猪木夫人を相手にしたもので、IGFの金を私的に使われたという不当利得返還請求。その額は4,250万円」(スポーツ紙プロレス担当記者)

 現夫人は、猪木氏にとって4番目の妻となる。

■4人の妻とアントニオ猪木の盛衰

 ある世代以上のプロレスファンにとって、アントニオ猪木は史上最高のプロレスラーであり、憧れの存在(注3)。しなやかに鍛えられた肉体からカール・ゴッチ(注4)直伝の技を繰り出し、ビル・ロビンソン、タイガー・ジェット・シン、スタン・ハンセン、アンドレ・ザ・ジャイアントらと激闘を展開。さらにプロボクサーを超えた時代のアイコンであるモハメド・アリとも試合するなど、常に刺激的でカッコ良かった男である。……ゆえに、モテた。

 最初の妻は武者修行時代に結婚したアメリカ人女性のDさん(注5)。2番目の妻は女優・倍賞美津子。その倍賞との間に生まれた一人娘が、サイモン氏夫人の寛子さんだ(注6)。3番目は46歳で結婚した22歳年下のNさん。男の子を一人もうけたが、先ごろ離婚。その原因ともウワサされたのが、入籍したばかりの4番目の妻、Zさん(注7)だった。

 元カメラマンのZさんは十数年ほど前から猪木氏と親しくなり、徐々にマネージャー役となり、結婚に至った。莫大な富を生み出す猪木氏の肖像権・商標権を管理しているのも彼女だ。単純化すれば、この権利を巡ってIGFとZさんが綱引きをしている状態とも言える。

 事業の失敗(注8)による莫大な借金や、度重なる部下の造反劇。確かに猪木氏は、タガが外れた金銭感覚や対人関係の誠意の無さを批判されることが多い。しかし、それも猪木氏のカリスマ性を作ってきた一部分。責められても慣れたものだろう。骨肉の争いの決着はまだ不透明だが、サイモン氏らは、闘うのなら夫人ではなく猪木氏本人の首を取りに行くべきではないか?

 若き日に一緒に夢を見たDさん。全盛期の猪木氏の色気を演出した(注9)とも言われる倍賞美津子。プロレスから退いて政界へ飛び込んだ激動期を共に生きたNさん。夫人たちが、時代ごとの猪木氏を支えてきた。トラブルが目立つZさんだが、猪木氏は「感謝しかない」と明言している。

 波乱万丈な人生を彩る歴代の妻たちに、猪木氏はこんな心境だろうか。

 「元気ですかーー 女房がいれば何でもできる!」

(注1) 野田氏の代表就任…小池知事の前の代表だったので、正確には<代表返り咲き>。
(注2) IGF…イノキ・ゲノム・フェデレーション。鈴木秀樹など、優れたレスラーを輩出した功績もある。
(注3) 憧れの存在…もちろん猪木を毛嫌いするアンチもいたが。
(注4) カール・ゴッチ…「世界最強のプロレスの神様」とも、「下手クソで売れなかった」とも言われる猪木の師匠。強かったことだけは間違いないようだ。
(注5) アメリカ人女性Dさん…娘が生まれたが、幼少時に亡くなった。
(注6) 寛子さん…母親の影響か子役をやっていた時期も。代表作はミュージカル『アニー』。
(注7) Zさん…本名ではなく、ニックネームのイニシャル。
(注8) 事業の失敗…サトウキビの搾りカスを牛の飼料にするというブラジルでの事業<アントンハイセル>が、新日本プロレスの数々のモメ事の遠因となった。また後年は、永久電池にも手を出した。
(注9) 色気を演出…女優である倍賞の表現力に学び、入場時や試合中の表情などを研究したと言われる。

著者プロフィール

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コンテンツプロデューサー

田中ねぃ

東京都出身。早大卒後、新潮社入社。『週刊新潮』『FOCUS』を経て、現在『コミック&プロデュース事業部』部長。本業以外にプロレス、アニメ、アイドル、特撮、TV、映画などサブカルチャーに造詣が深い。Daily News Onlineではニュースとカルチャーを絡めたコラムを連載中。愛称は田中‟ダスティ”ねぃ

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