漁師になるには? 仕事内容や働き方を知ろう

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漁師とは、もちろん漁業をなりわいとする人のこと。魚を捕るプロフェッショナルですね。海に囲まれた日本では古くから漁業が盛んでしたが、現在では漁業に携わる人は年々減少傾向にあります。しかし、今まで全く関係ない職業だったのに一念発起して「漁師になろう!」と思う人もいらっしゃるでしょう。今回は「漁師になるにはどうすればいいか?」についてをご紹介します。

■漁師といっても業態はいろいろ

漁師の仕事は魚を捕ることですが、ひと口に漁師といっても、捕る魚の種類や規模などによって業態はさまざまです。「漁業」というくくりでは、一般的に、

・遠洋漁業
・沖合漁業
・沿岸漁業

の3つに大別されます。マグロはえ縄漁、カツオ一本釣り漁などが有名ですが、世界中の海に出掛けて漁を行うのが遠洋漁業です。世界中で漁を行うので船の上で長く生活することになります。

主に日本の200カイリ水域内で漁を行うのが沖合漁業です。大中型まき網漁、沖合イカ釣り漁などが有名です。1日で終わることもありますが、数日、また1カ月に及ぶ操業などもあります。

沿岸部で操業するのが沿岸漁業です。漁場が近いので日帰りで漁を行うのが基本です。定置網漁、まき網漁、養殖業、刺網漁などが沿岸漁業に当たります。

■漁師になるには? 経験ゼロならまずは情報収集と体験!

「実家が漁師で跡を継ぐ」という人は別として、経験ゼロで漁師になりたい、という人はまず実際の漁師の仕事がどのようなものかを知ることから始め、できれば体験してみましょう。現代はネットがあるので情報には事欠きません。遠隔地であっても漁業組合の「漁師募集」を知ることができます。また、『一般社団法人 全国漁業就業者確保育成センター』の運営する『漁師.jp』というサイトでは、「漁師になる」ための基礎知識、募集状況などを広く紹介しています。

⇒『一般社団法人 全国漁業就業者確保育成センター』の『漁師.jp』
http://www.ryoushi.jp/

『漁師.jp』によれば、漁師になるには

・漁業就業セミナー(座学・体験)
・漁業就業支援フェア
・漁業体験

などに参加して、まず情報を収集するのがいいようです。上記のように漁師にもいろいろな業態があります。自分のなりたい漁師のスタイル、また働きたい場所が決まったら、「漁師募集」を探します。その際には、ハローワークや上記の『漁師.jp』などで求人情報を検索するのがいいでしょう。各漁業協同組合、漁業会社に直接アプローチするのもアリです。

経験が全くない場合には「漁業研修制度」が利用できます。これは漁業就労者を増やすための国の支援事業。経験ゼロの人を受け入れる職場には国からの補助金が給付されますので、採用が決まった職場で仕事をしながら漁労作業の基礎を学べるのです。いわば試用期間にお金の補助をすることで、ミスマッチを防ぐための仕組みと考えればいいでしょう。

■漁師のキャリアアップとは?

まずは親方について一人前の漁師と認められることが大事ですが、そこからのキャリアアップには下のようなケースがあります。

●沿岸漁業の場合
漁業会社の従業員としてキャリアを積んで昇進する
独立した漁師となる

●沖合漁業・遠洋漁業の場合
漁業会社の船員として経験を積み、航海士、機関士となる
漁船の最高責任者「漁労長」となる

独立するためには、船舶免許、漁業無線の免許が必要ですし、漁業権を得なければなりません。また漁業権を得るためには、漁業協同組合の会員とならなければなりません。漁業協同組合の会員には、その地域に住んでおおむね年間90-120日以上(漁業協同組合によって異なります)漁業に携わった実績が必要です。

航海士になるためには「海技士(航海)」の国家資格、機関士になるためには「海技士(機関)」の国家資格が必要です。キャリアアップのためにはこれらの国家資格を取得するなどの努力をするといいでしょう。ちなみに、中・大型漁船の乗組員(リーダー職)の序列と役割は下のようになります。

●漁労長
操業・漁獲を指揮する最高責任者。敬意を込めて「船頭」と呼ばれる乗組員のトップリーダー

●船長
船の運航を指揮する監督責任者。キャプテンとして船内の規律を維持する責任者

●機関長
チーフエンジニアとしてエンジンなどの保守・点検を担当する、船の機関の責任者

●通信長
無線などにより他の漁船や陸上との連絡を担当するチーフオペレーター

●一等航海士
甲板部の指揮監督を担当するチーフオフィサー

●一等機関士
機関長を補佐するファーストエンジニア

●操機長
機関部の実務遂行リーダーでナンバンと呼ばれる

●甲板長
甲板部の実務遂行リーダーでボースンと呼ばれる

●冷凍長
冷凍設備の管理・実務を担当する長

●司厨長
コック長として船員の食事を担当する長

⇒データ引用元:『漁師.jp』「漁師になるために」より
http://www.ryoushi.jp/become/

漁師になるにはどうすればいいかについてご紹介しました。日本は古来より魚を食材にしてきました。今や世界中で「すし」が人気を集めており、日本の豊かな魚食文化に注目が集まっています。漁師こそ日本の魚食文化を支える存在といってもいいでしょう。これから漁師を目指す人はぜひ頑張ってください!

(高橋モータース@dcp)

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