相続税の申告期限を過ぎるとどんなペナルティがあるか。回避する方法は?

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相続税の申告期限を過ぎるとどんなペナルティがあるか。回避する方法は?

相続税に限らず、法人税や所得税には申告期限がある。相続税だと条文には「被相続人の死亡したことを知った日の翌日から十ヶ月以内」(相続税法第1条3項他)とされている。もし、何等かの理由で申告期限内に相続税の申告ができなかったとしたら、どうなるのだろうか。今回は、相続税の申告期限について綴ってみたい。

■相続税の申告期限 10ヶ月とは

相続税法の条文にある被相続人の死亡したことを知った日についてだが、基本的に被相続人が亡くなった日、つまり死亡診断書に記載された死亡日となる。

その翌日から十ヶ月以内となるので、例を挙げるとその年の一月一日に亡くなったとすれば、相続税の申告期限はその年の十一月一日になる。申告期限が平日でない場合、次の平日となるのだ。十一月一日が土曜日だったならば、十一月三日の月曜日ということとなるが、通常だとその日は祝日に該当するので、翌十一月四日火曜日が申告期限となる。

この十ヶ月というのが大前提となっていて、これを変更することは原則不可能である。しかし、東日本大震災のようなやむを得ぬ事情がある場合には、二ヶ月間申告期限を延長することが可能となる。

■相続税の申告期限を過ぎた場合のペナルティ

もし、申告期限までに相続税の申告や相続税の納付が間に合わない場合、どんな罰則が税務署から課せられるのか、それは次のとおりだ。

(1)延滞税:利息に該当。納付期限(=申告期限)内に相続税を納付できなかった場合に課せられる。納付期限の翌日から二ヶ月以内は年7.3%、二ヶ月を超えると年14.6%の日割り計算となる。
(2)無申告加算税:罰金に該当。相続税を申告期限までに申告しなかった場合に課せられる。税額の15~20%が加算税額となる。
(3)重加算税:罰金に該当。相続税を申告期限までに申告(納付も含む)しなかったことが、悪質な脱税等の租税回避行為であるとして、税務署が判断した場合に課せられる重い罰金。税額の40%が加算税額となる。

更に、状況に応じては配偶者の税額軽減を始めとした相続税法上の特例の適用を受けることができなくなってしまう。筆者の経験だと、遺産分割協議で揉めてしまい、申告期限までに申告できない状況が多かったが、遺産分割協議で揉めることは、前述のようなやむを得ぬ事情に該当しないために、相続税の申告期限の延長を申請することができない。故に、何としても十ヶ月という申告期限を厳守しなければならないのだ。

■解決方法は?

解決するには、最初に法廷相続分にて相続を行ったことにして、申告と納税のみ期限内に終わらせることだ。申告と納税さえ終われば、大きなペナルティを課せられることは無くなるからだ。そして、その後に遺産分割協議を行い、税務署に更生の請求を行えば良いのだ。しかし最も良い解決方法は、事前に税理士や弁護士等の専門家と相談し、対策を練っておくこと。これに尽きる感がある。想定される問題は、早目に専門家に相談すれば、それだけ早目に解決できる。早目に解決すれば、大きなペナルティを回避できるだけでなく、安心した終活にも繋げることもできるだろう。

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