【プロ野球】元4番に新4番。中田翔、筒香嘉智、中村剛也、鈴木誠也、ウィーラーの打順変更は吉? それとも凶? (2/2ページ)

デイリーニュースオンライン

■中村は5番がハマり役!?

■中村剛也(西武)
4番:59試合/打率.239/13本塁打(本塁打率17.4)
5番:12試合/打率.231/5本塁打(本塁打率7.8)

 「平成のホームランキング」こと中村剛也は、今季も指定席の4番にどっかりと座っている。

 ただそれはDHが使える試合でのことで(1試合だけ例外あり)、DHが使えない交流戦の試合では、走力を生かしたオーダーを組むために5番へスライドしていた。

 そこで5番で出場した12試合の成績を集計してみたのだが、恐るべき結果が飛び出した。

 打率こそ4番と5番でほぼ横ばいだが、本塁打率で見ると4番時の17.4に対して5番時が7.8と大幅にアップ。脅威の数字を叩き出していたことが判明した。およそ2試合に1本のペースで本塁打を打っていたことになる。

 なお、中村が5番に座ったときに4番を任された浅村栄斗の打率は.254(3番時の打率は.315)。4番で浅村が実力を発揮していていれば、4番・浅村、5番・中村の打線が継続していたかもしれないと思うと、少し惜しい気も……。

■球界随一の打順適応力を発揮

■鈴木誠也(広島)
4番:63試合/打率.286/15本塁打(本塁打率16.1)
5番:16試合/打率.277/2本塁打(本塁打率32.5)
6番:1試合/打率.600/0本塁打(本塁打率0.00)

 ここからは今季、シーズン途中から4番を任されるようになった選手にスポットを当てる。1人目は好調・広島の象徴といえる鈴木誠也。

 今季の鈴木は、シーズン当初は主に5番を任され、時折4番を打つという形だったが、4月25日の巨人戦(マツダ)から正式(?)に「4番」を襲名。現在に至っている。

 5番に座っていた頃はWBC疲れもあったのか、今ひとつピリッとしなかったが、4番となって「新たな職場」に慣れてくるや持ち前の打棒が復活。

 特に本塁打率は5番時の32.5から16.1まで一気に押し上げており、倍のペースで量産していることになる。

 ちなみに鈴木は、昨季も6番から5番に打順が上がったときも以下のように成績を向上させた。

5番:38試合/打率.362/13本塁打(本塁打率10.8)
6番:73試合/打率.326/15本塁打(本塁打率18.0)

 開幕4番の新井貴浩が今年で42歳だけに新しい風がほしかったのだろうが、鈴木を4番に抜擢した緒方孝市監督の彗眼やあっぱれ。

(※6番は1試合のみのため比較対象からの除く)

■呼ばれて飛び出てウィーラー大魔王

■ゼラス・ウィーラー(楽天)
3番:43試合/打率.260/8本塁打(本塁打率21.6)
4番:30試合/打率.333/11本塁打(本塁打率10.6)

 2013年以来の優勝も狙える位置につける楽天だが、その打線を支えるのは「ハクション大魔王」に似ていると話題のウィーラー。

 昨季は4番として126試合に出場し、4番では23本塁打を放ったが、今季は3番で開幕を迎えることに。

 しかし、後に続くアマダーの調子が上がらないことから4番としての出場も増え、徐々に3番での試合数に追いついてきた。

 こうなると「チーム的にメリットがあるのはどちらの打順?」という疑問が湧くが、上の成績を見れば一目瞭然。火を見るより明らか。断然、4番だろう。

 単純に「4番・ウィーラー」での直近の10試合を見ても、7勝2敗1分で勝率.778。貯金を5つも作っているだけに、リーグ優勝への近道はウィーラーを4番に置くことか!?

■「4番」は「4人目の打者」ではない聖域

 最近は3番や2番に強打者を置くチームが多くなってきたが、筆者はまだまだ4番には特別な感情がある。

 それだけに4番を打っていた選手がほかの打順に移ったときの成績、反対にほかの打順から4番になった選手の成績が気になったわけだ。

 「元4番」は呪縛から解き放たれるのか。「新4番」は意気に感じるのか。どちらもほぼほぼ成績が良化するのが意外だった。

 いずれの選手も、今後、新たな持ち場でどんな成績を残すのか。シーズン終了後の結果が楽しみでならない。

(成績、結果は7月10日現在)

文=森田真悟(もりた・しんご)

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