シベリアのツンドラから漏れ出すメタンガスが作り上げたブラックホールのような巨大な穴(ロシア)

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シベリアのツンドラから漏れ出すメタンガスが作り上げたブラックホールのような巨大な穴(ロシア)
シベリアのツンドラから漏れ出すメタンガスが作り上げたブラックホールのような巨大な穴(ロシア)

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 シベリアのツンドラから漏れ出すメタンガスは、ここ数ヶ月で少なくとも2つのクレーターを作り出したそうだ。

 シベリアン・タイムズ紙によれば、6月28日の朝、シベリア北部のセヤカ(Seyakha)村北西でトナカイ飼いが炎と煙が噴出しているところを目撃、現地時間午前11時には地震センサーもこれを捉え、調査に赴いた専門家によって川の土手に開いた真新しいクレーターが発見されたという。

 今年の春、ヤマル半島で発見されたクレーター

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 さらに今月、チュメニでそれまで知られていなかったクレーターが発見されたとも報じられた。動植物生態学研究所(Institute of Ecology of Plants and Animals)のアレクサンドル・ソコロフ氏が地元の人から聞いた話では、冬から初春にかけてクレーターが発見された付近で炎が目撃されていたという。

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Воронка на Ямале ( Mysterious crater in Yamal) ・永久凍土が溶けることで発生する大量のメタン
 永久凍土が溶けると大量のメタンが放出され、場合によっては爆発を起こすことがある。溶ける早さや爆発の頻度については専門家の間でも意見の相違がみられるが、温暖化によってシベリアの永久凍土が融解する危機にあることは誰もが認めるところだ。

 永久凍土は長年凍結していた土壌で、枯れた草や動物の死体といった有機物がそこに捕らえられている。しかし北極圏の気温が上昇するにつれて、春になって溶ける範囲がますます深まっている。すると中に残された有機物が腐り始め、メタンなどの可燃性ガスが放出される。

 ときに土壌の崩壊は非常に劇的な形で発生し、サーモカルストという形状を残す。これは地滑りや地盤の崩落、あるいはクレーターにも類似しており、中には水を湛え、湖になるものもある。

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image credit:twitter @siberian_times

・メタンが爆発的に放出されることでメタンブラストホールが形成
 これまでの研究からは、温暖化によって地形に爆発的な変化が生じる可能性があることが示唆されている。

 6月に発表された研究は、氷床が後退した11,600年前、地中で凍っていたメタンのドーム状地形が不安定になったことで、北極海の1地域の海底に少なくとも100個の巨大クレーターが形成されたことを発見した。”ピンゴ”と呼ばれるこのドーム状地形は、幅1キロほどのクレーターを作り出すこともあったという。

 現在のシベリアでも似たような現象が起きていると専門家は考えている。”ピンゴ”は陸上でも形成される。その溶ける速度が急激であれば、メタンが爆発的に放出され、太古の海底に作り出したようなクレーターを生み出すことだろう。

 以前にもこれまでに見られないクレーターが発見されていたが、その形成時期や形成の仕組みについては分かっていなかった。今回伝えられた目撃証言によれば、その形成が暴力的なものであったことが推察される。

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image credit:twitter @siberian_times

 また爆発による被害も懸念される。

 6月28日のクレーターが出現したのは人里離れたシベリアのど真ん中であったが、そこから100キロ先には液化天然ガスの輸送で発展しつつあるサベッタの町がある。パイプラインや線路といったインフラ施設、あるいは居住区などで爆発が起きれば、甚大な被害が発生するであろうことは言うまでもない。


via:siberiantimesなど/ translated hiroching / edited by parumo



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