世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第229回 PB黒字化目標という毒針 (3/3ページ)
だからこそ、政府に貸し付ける、つまりは国債を購入することで、銀行はおカネを運用していったのだ。デフレが長期化し、日本は政府がどれだけ「国の借金」とやらを増やしたところで、国債金利が急騰するどころか、むしろひたすら下落していった。民間の資金需要が高まらない以上、当たり前なのだ。
政府の負債が100%自国通貨建てで、さらに国債金利が世界最低水準(ちなみに、世界最低はスイス)の日本が財政破綻する可能性は、繰り返しになるが「ゼロ」なのだ。
それにもかかわらず、重鎮のはずの国会議員が、
「財政破綻の足音が聞こえてきている」
などと、自らの幻聴を堂々とメディアに語る。
日本の闇は深い。
ところで、本来は『日本の未来を考える勉強会』の提言を、政府に提出するべき役割を担うのは「野党」なのだろう。大変不幸なことに、わが国の野党には、まともな政策提言をする能力はない。
国会では、PB黒字化目標の是非について議論すら行われず、わが国の緊縮路線は継続だ。PB黒字化目標という日本経済の喉元に刺さった毒針を抜かない限り、わが国の経済成長はあり得ない。
みつはし たかあき(経済評論家・作家)
1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、分かりやすい経済評論が人気を集めている。