一人暮らしの初期費用はどれくらい? 引っ越す前に知っておきたい基礎知識

学生の窓口

大学入学や新社会人となるタイミングで一人暮らしをする人も多いでしょう。その際、引っ越しや家具家電など、どれくらいの初期費用がいるのかみなさんはちゃんと知っていますか? 大学入学時に一人暮らしをする場合、お金は親が出すということがほとんどですが、社会人になる際は自分のお金で……というケースもありますから、知っておくに越したことはありません。そこで今回は、直前になって慌てたりしないよう、「一人暮らしに必要となる初期費用」をまとめてみました。



■賃貸契約で掛かる初期費用は? 意外と高い?

初めて一人暮らしをする場合、まずは引っ越し先を選ぶことからスタートです。一人暮らしの場合、ワンルーム(1R)か1K、広くても1DKあたりから選ぶことになると思いますが、ここではワンルームタイプの部屋を選ぶと仮定します。

『全国賃貸管理ビジネス協会』の「全国家賃動向」によると、2017年4月のワンルームタイプ(1部屋)の全国平均家賃は4万9,040円。ただし地域が変われば平均家賃も大きく変わります。例えば東京都の場合は6万7,706円と平均より2万円近く高くなっています。東京で物件探しをする場合は、家賃が高めであることを念頭に置くようにしましょう。

さて全国平均家賃は4万9,040円ということですので、この価格の賃貸物件を借りるとして初期費用を計算していきましょう。

賃貸物件を借りる際は、


・1カ月分の家賃(月半ばから住む場合はさらに半月分など日割り家賃も発生)
・敷金(保証金)
・礼金
・保証人代行料
・仲介手数料
・火災保険料
・鍵交換費用


こうしたお金が必要になります。敷金は退去時の修繕や掃除に使われる費用を先に払っておく、というもの。関西の一部地域では保証金ともいいます。ワンルームの場合家賃の1カ月分が相場で、退去時に使われなかった分のお金は戻ってきます。礼金は大家さんに払うお礼金ですが、敷金と違い戻ってきません。これもワンルームは家賃1カ月分が相場です。最近は礼金がない物件も増えています。

保証人代行料は、契約時に必要な保証人契約を保証人代行会社が代わりに行う際に必要となるお金。保証人代行会社によって家賃1カ月分、半月分とその金額は異なります。最近は家賃の滞納などのトラブルを防ぐために、保証人代行会社との契約を必須としている賃貸業者も増えています。

仲介手数料は賃貸業者に「紹介してくれてありがとう」と支払うお金。業者によって家賃1カ月分、半月分と異なります。火災保険料は加入が必須である火災保険の保険料。物件の規模によってその額は異なりますが、ワンルームだと高くても1-2万円。また物件によっては、入居時に鍵交換費用が必要となるケースもあります。

敷金・礼金の両方がいらない物件もワンルームで多く見掛けますが、この場合はクリーニング代といったものが別に必要となります。クリーニング代は家賃半月分や1カ月分とまちまち。「敷礼金0!」と書かれていても、こうしたクリーニング代が必要となることは覚えておきましょう。


今回は家賃4万9,000円の物件で、敷金・礼金がそれぞれ1カ月分、保証人代行料に家賃半月分、仲介手数料も家賃半月分として計算してみました。


・先払い家賃……4万9,000円
・敷金……4万9,000円
・礼金……4万9,000円
・保証人代行料……2万4,500円
・仲介手数料……2万4,500円
・火災保険料……2万円
初期費用合計:21万6,000円

もちろん礼金のない物件や、保証人を立てることで保証人代行が必要でなくなる場合はさらに安くなりますが、一般的にこれくらい必要、ということです。

■家電も揃える必要アリ!

賃貸物件を決めた後は引っ越しですが、初めての一人暮らしの場合、実家にある身の回りのものを段ボールで送ったり、または実家で使っていたテレビなど身近な家電を持っていく程度。その場合、引っ越しは家族に手伝ってもらうなどのケースが多く、引っ越し業者を使うことはあまりないでしょう。もし宅配便で大きな段ボールを数個送るとしても、1万円もしませんし、少量の荷物を送る単身プランを利用するとしても、1万5,000円前後。そこまで大きなお金が掛かるものではありません。

どちらかというと、入居開始までにそろえる必要のある「家電」にお金が掛かります。家電だと、


・冷蔵庫
・洗濯機
・テレビ
・HDレコーダー
・電子レンジ(オーブンレンジ)
・掃除機


この辺りが挙げられます。冷蔵庫は80-150リットルサイズのものが単身向けですが、80だと小さすぎるので110-137リットルくらいの2ドアタイプが一般的。メーカーにもよりますが、3-4万円ほどの価格です。一方の洗濯機は、単身世帯だと洗濯容量が5kg前後のクラスが一般的。こちらも価格はメーカーによって異なりますが、3-4万円ほどです。

テレビを新調する場合は、32型液晶テレビが安いものなら3万円前後、HDレコーダーもHD容量が少なく安いモデルなら3-4万円で購入できます。生活家電だと、他にはオーブンレンジが1-2万円、掃除機が約1万円といったところです。

部屋によっては照明器具も必要となります。ワンルーム向けだと、だいたい5,000-1万円ほどのものが一般的。他に「カーテン」も必要です。ワンルームタイプの部屋の場合、幅が100cm、丈が178cmのカーテンが一般的なサイズ。2枚1セットのものが売られており、価格は安いものだと2-3,000円。遮光性の高いものがいいなら、1セット5-6,000円とやや割高になります。

また、ベッドやスツール、ローボード、ミニソファなど、家具もいろいろそろえたいですが、そうなると際限なくお金が掛かってしまいます。ですので今回は家電、照明、カーテンだけに限定して計算したところ、トータルで約17万円となりました。これを先ほどの賃貸契約時に必要となるお金と合わせると、初期費用の合計は


21万6,000円+17万円=38万6,000円


となります。ここに単身プランの引越し費用を足すと、だいたい40万円くらいになります。この金額が、初めて一人暮らしをする際に必要となる大まかな金額ということですね。

■時期によっては単身の引っ越しも意外な金額に!?

将来の参考に、引っ越しに掛かるお金についてもご紹介します。


引っ越しに掛かるお金は荷物の量、移動距離、時期によって大きく変わります。単身引っ越しの場合は、冷蔵庫や洗濯機など大型家電があるものの、荷物の量はそこまで多くありませんから、移動距離や時期がポイントとなります。

例えば移動距離。100km以内と500km(大阪-東京間がだいたい500-600km)を超える場合を比べた場合、2倍近い金額になります。また繁忙期である3月中旬から4月上旬の期間に引っ越しする場合も、それ以外の時期と比べて2-3倍の金額になります。

筆者は数回単身引っ越しを行っていますが、23区内での引っ越しの場合は、約3万5,000円。隣接する県から都内に引っ越す場合は、4万8,000円でした。3月上旬の「繁忙期一歩手前」のタイミングでしたが、もし繁忙期に入った場合の見積もりをしたところ、前者は6万円、後者は8万円と大きく変わりました(そのため引っ越し時期を早めました)。

また、引っ越し業者によっても金額が異なってくるため、複数の業者に見積もりを出してもらうのがおすすめ。もちろん金額だけでなくサービス内容も加味して選ぶようにしましょう。


一人暮らしにかかる初期費用について解説しました。初めての一人暮らしの場合は、賃貸契約だけでなく、家電や家具といった部分もお金が掛かる要素。家具家電付きの物件もありますが、あれこれそろえる必要がない分、一般的な賃貸物件と比べてコストが高くなるデメリットもあります。ただどちらにせよ、将来一人暮らしをしたいと考えている人は早いうちから貯金をするなどしておくべきでしょう。

参考:『全国賃貸管理ビジネス協会』「全国家賃動向」(2017年4月調査)
http://www.pbn.jp/yachin/date/2017/04/

(中田ボンベ@dcp)

「一人暮らしの初期費用はどれくらい? 引っ越す前に知っておきたい基礎知識」のページです。デイリーニュースオンラインは、暮らし新生活一人暮らし引っ越し生活マネーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る

人気キーワード一覧