【ジャニーズの入り方】オーディション内容や応募方法の裏ワザ|平本淳也のジャニーズ社会学

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Photo by Pixabay(写真はイメージです)
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 ジャニーズ出身で良かったと思うことは多々ある。他のプロダクションと比べたらその扱いも全く異なってくる。例え大手のナベプロやホリプロ、田邊さんのところやエイベックスにアミューズの音楽系、あるいは吉本や太田プロであっても、そこに居ただけではなんの印象も持たれない。そもそもある人物を説明する際に「元ナベプロ」や「元アミューズ」なんて表現はしない。

 元ジャニーズ、ジャニーズ出身というだけでそこそこの扱いがなされてしまうのがジャニーズの特徴だ。他にはない印象を与えられるし、インパクトもある。もっともデビューしてタレントとして成功すれば尚更のことだが、ジュニアでも相当に強い立場が与えられる。それだけにジャニーズの育成方式も独特だ。

 そもそもジャニーズJr.というのは「タレントの名称」でグループやユニットを示している。よく誤解されるのだが、彼らは「研修生」ではなく、ジャニーズに入った時点でジュニアというグループの一員で、その扱いはタレントとなる。もちろん、ジュニアというだけで相当の”仕事”にも恵まれ、月収で50万円を超える中学生がザラにいる。

 僕らの時代でもそこそこもらえた。1ステージのギャラは3000円くらいから1万円までが相場で、選抜メンバーとして踊るときは最高で1ステージ3万円にもなり、中学生としては金持ちの気分になれたものだ。

 僕の場合はジャニーズの合宿所で掃除をしたり、テレビ局で荷物を運んだりとジャニー喜多川さんのお手伝いをするだけでも万単位のお小遣いがもらえた。同時に周囲からも「ジャニーズのタレントってすごい」という高い尊敬も得ていた。ジャニーさんは、「ユーはうち(ジャニーズ)のタレントなんだから、タレントらしくしてほしい」といった具合に”ジャニーズの一員”という責任感をもって行動しなさいとよく言われていた。それだけでも単細胞の少年は嬉しくなり、より強く頑張るものだった。

 周囲には芸能界を目指して頑張っている友人も何人かいたが、それはいずれも劇団やスクールといった、いわゆる「金がかかる」ところで、しかも年で数十万から修了まで数百万円という高額な研修費用が当然とされていた時代だった。今でもそういったタレントスクールは多く存在するが、ジャニーズの場合は昔も今も(払う)お金はかからないし、入った時点でタレントだ。仕事ももらえてギャラももらえてファンからのプレゼントも大量。自分に人気があるような気がして幸せな満足感も手にすることができる。

 しかも与えられる舞台は、スタジアムや大ホールといったビッグなステージ。そこで歌ったり踊ったり、憧れの先輩たちのドラマや映画にご一緒させてもらえたり、こんな夢のような世界が本当にあったのか、と心の底から感じることになる。まさにジャニーズならではの環境であり、そして選ばれた人間だけの特権ともいえる処遇だ。そこで今回もリクエストが多い「ジャニーズの入り方」を書いてみよう。

■ジャニーズに入る一番確実な方法とは?

 やっぱり夏休みという特別かつ自由な時間が取りやすい期間はジャニーズの出入りもアクティブになり、チャンスも割と多く転がっている。僕の元には「どうしたらジャニーズに入れますか?」という質問が多く寄せられてきて、これまでに結構な合格率で送りこんでいると自負している。

 前回、スタッフの募集は常時行っている旨を書いたが、同じようにジャニーズJr.も常時に受付状態だ。応募先はジャニーズのファンクラブ組織「ジャニーズファミリークラブ」であり、住所などは公開されているので応募に関しては説明も不要だろう。ただし、ジャニーズのオーディションは一般的なものではなく、皆が印象としているものとは大きく異なるのが実情だ。例えば時期や期間はまったく決まってない、また合格の通知もいつ来るかわからない。応募書類を送って1年以上経ってから返信されることも頻繁だ。ちなみに不合格なら永遠に届かない。

 その合格通知にしても、封書もあればハガキも電話もある。ときにファックスといった伝達だったりもする。さらにオーディションの会場も決まっていない。テレビ局やコンサート会場のリハーサル室もあれば、乃木坂の事務所のときもある。実際のところ、オーディションには特にこれといった決まりがなく、関係スタッフもよくわかっていない。すべてを仕切っているのはジャニーさんだけで、すべてジャニーさんの都合で行われる。ファミリークラブには毎日多くの応募書類が届き、それがどんどん溜まっていく状態だ。

 ファミリークラブのスタッフやジュニアたちも手伝って応募された履歴書を開封しチェックしたりもするし、選別も行う。応募が許されるのは男子のみだが、女子からの応募も少なくないのが困るところだ。「女の子だけどジャニーズに入りたいです!」と元気よく応募してくる子が多く、これにはジャニーさんも苦笑していた。

■ジャニー喜多川が応募してきた少年に直接電話?

 ジャニーさんが「とりあえずそろそろジュニアを入れようかな」という気分になったら開催されるオーディションではあるが、それ以前に応募書類は常にチェックしているので、特別に光る素材を発見したら個別に連絡が入ることになる。その多くは電話によるもので、ジャニーさんからの直電もある。これを「ジャニ電」というが、これは超特別な扱いで、ジャニーさん的にはホームランである。

 また、スタッフからの連絡なら事務的な挨拶と言い回しで時間と場所を提示されたうえで来れるか否かの確認が行われる。一方、”ジャニ電”の場合は「ユー、遊びにきなよ」というフレンドリーな感じになる。ただし、さすがのジャニーさんも電話の冒頭は「ジャニーズ事務所です」と固めの挨拶で始まり、応募した本人とわかれば「ユーはジュニアになりたいの?」と確認してから、「明日、コンサートがあるから遊びにおいで」と誘われるパターンとなる。

 ジャニーさんからのこうした誘いは常に「すぐ」なのが特徴だ。明日とか明後日とか、長くても来週とか、すべてがジャニーさん本人の都合なので、基本的に近々の予定で話してくる。これに合わせられるタイミングを持っている人なら上手くいくはずだ。とくに”ジャニ電”の場合はこの時点で合格したと言っていい。応募した写真や履歴書の内容に大きな違いがない限りはまず大丈夫で、自然体で元気な少年ならそれで十分。ただし、余りに応募書類とギャップがあったり、無理なお洒落や格好付けをして会いに行ってはいけない。ジャニーさんの好みは基本的に元気な少年、無邪気で明るく素直が一番だ。

 一方、スタッフからの電話の場合は他にも同時に数人呼ばれているので、”ジャニ電”のようにピンポイント(数人いる場合も多々ある)ではないにしろ、書面での返信に比べたら特別感は高い。電話で呼ばれた時点でほぼ合格のレベルには達していることが多い。

 スタッフからの電話かジャニーさんからの直電か、そのいずれも指示はジャニーさんが出しているので、その時点で選ばれていることがほとんどだ。ジャニーさんの審美眼が優れていることは言うに及ばずの評価から、電話された時点で不合格はほとんどないといっていい。

 だが、繰り返しになるが、あくまでも写真と履歴書での印象なので、実際に会ってみて「考えていたのと違った」となれば即座にアウトだ。またジャニ電の場合は印象の再確認を声で行っているため、その声が印象通りか近い範囲での好みならオッケーだ。実際にジャニーさんと直接話をしているのに「呼ばれなかった」「誘われなかった」という例も過去にあった。

 せっかくの”ジャニ電”なのに、話しただけで何も進展がなかったという場合は、印象の違いと対応の悪さが原因となっている場合が多い。例えば挨拶をしない、応募自体を分かってない、ガヤガヤして騒がしいところにいて落ち着いて話ができないなどが挙げられる。普通に考えてもこれでは印象が良くないのは当然で、子供ながらも礼儀は必要ということになる。

 相手は天下のジャニー喜多川とはいえ、それに動じず元気な少年としてハキハキしていればいいが、その一方でジャニーさんはギャップも大好き。「こんな顔でこんな声?」などと驚かせられる少年には一目置く。感動を売るのが仕事だから自分が感動されられると弱い性格だ。まあ、そこまで細かく考えて行動できる少年は皆無だろうが、自然体でそうした印象を与えられるのが何よりのタレント性ということになる。

■実際のオーディションの様子は?

 では、実際に応募書類を出して、ジャニーズ側から連絡をもらい、実際にオーディションに向かうことになった。この”オーディション”というのが最大な難関なのだ。

 通常なら郵便などで案内が届き、一斉に集められた中からジャニーさんがチョイスしていく。それを”オーディション”と呼んでいるが、実際にはダンス、いやレッスンといったほうが正確だ。レッスンに参加するような雰囲気で皆で踊っているところをジャニーさんがチョイスする。初めて踊る子も多い中で、その選定基準が気になるが、それは踊りの上手い下手ではない。ジャニーさんが重視するのはその子が持っている雰囲気だ。楽しそうに踊ってるとか、ひたすら一生懸命さが伝わってくるとか、そんな天性のアイドルが持つ独特の雰囲気を見抜いていく。

 面接という形式で話す場面もある。これは雑談に近い。学校は楽しいとか友達はたくさんいるとか個々によって異なるが、家族の事はよく聞かれる。親兄弟の構成はもとより履歴書から取り出して興味を示すことは何でも聞いてくる。例えば親が公務員だとしたらその職業について細かく聞いてくる。同じく会社員にしても幅が広すぎるし、また自営業となると更に広くなるので履歴書に記しておいたほうが賢明だ。本人の学歴や趣味、特技と同じレベルで親兄弟の質まで割と問いてくるのは、本人ならではの面白味を探しているからだ。

 ジャニーさんが重視するのは特別感だ。その子が持っている情報が他の子とどのように違うのかということだ。例えば名前や出身地は趣味・特技より重要だ。もちろん珍しい名前、なんと読むかわからない地名や外国などには興味を示しやすい。資格もわりと効果が高い。運動系や文化系の両方で数字(段や順位)など記録を持っているとか、表彰経験があるとか強い武器になる。容姿もそうだが重要なのはそこではなく特別な何か?ということで、本人がそう感じていないことでもジャニーさんが興味を持つことは多くある。自分が持っている個々の情報をうまく他人に伝えられる人は芸能界向きだといえる。

 こうした例は概要的であり、ここでは一部分しか伝えられないが、年齢や時期などタイミング、つまり運が非常に大きく干渉する芸能界なので、何が良くてどこが悪いということでもない。とくにジャニーズの場合はジャニーさん次第なのが正直なところ。オーディションに応募するのはジャニーさんに会うためで、ジャニーさんに会いたいと思わせないと返事はもらえない。そして会えれば入れる確率がぐんと上がるというわけだ。だとしたら「直接会いに行けば良いじゃん!」となる。そこでジャニーさんと会うためのとっておきの裏ワザを公開しよう。

■ジャニーズ入りを直談判…ジャニーさんに会える場所とは?

 ジャニーズに入るにはジャニーさんに会うしかない。いくら応募書類を送っても返事は来ない。だけど自分には自信があるし、どうしてもジャニーズに入りたい……そういう男子には直接、ジャニーさんに会いに行くという方法がある。たとえばジャニーズの人気グループやジュニアのコンサートやイベント会場でジャニーさんに声をかけて、そのままジャニーズ入りしたという例は少なくない。堂本光一や滝沢秀明のミュージカルや舞台、Kinki Kidsやジュニアのライブイベント、近藤真彦のコンサートなど、ジャニーさんが制作を務めているか、または好んで足を運ぶのがこのあたりだ。ジャニーさんは客が出入りするフロアをウロつき、ホール全体の様子をよく見ている。そこでみつけた少年に声をかけることもある。声をかけられた少年は楽屋や舞台裏を案内されたり、憧れのタレントに会えたりと、夢のような一日を過ごせられることもある。そしてそのままジュニアになれることもあるわけだ。

 このとき大抵は親も一緒で、スタッフも同行する中でVIP扱いされて方々を案内してもらえる。親子世代で愛されるジャニーズの特徴とも言えるだろう。ジャニーズに入るにはどうすればいいか。総じて結論付けると「ジャニーズへのコンタクト=ジャニーさんに会う」ということになり、ジャニーさんに会えれば入れるかも、というのが実情だったりする。その道のりは険しく、時間もかかるし運も必要になる。本当なら写真の撮り方や履歴書の書き方など指導できる部分は多いが、これ、すべて書くと単行本一冊分になるのでどこかで出版しませんか?『ジャニーズの入り方』とか。

 ネット上にもそれらしく記した胡散臭いニセ情報が溢れているが、応募の仕方までは分かっていても、オーディションに通過する方法やそれまでの段取りについては、公開されている範囲の引用でしかないので真に受けない方が賢明です。夏休み、チャンスがあったら是非、ジャニーズを目指してみよう。

著者プロフィール


ジャニーズ出身の作家

平本淳也(ひらもと・じゅんや)

ジャニーズ出身の作家で実業家。著書34冊のベストセラーを誇る売れっ子の物書きとして、テレビや雑誌など多くのメディアに記事やコメント提供。実業家としてはコンサルティング会社や芸能プロダクション、レコード会社などを運営し、タレントから起業家まで幅広い活動の支援を行っている。http://vjsv.com/

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