マンガや本で「性」を学んだ昭和の男子たち (2/3ページ)

まいじつ

その原因の一端を担った永井氏は幾度もテレビ番組に呼ばれ、PTAや教師たちに糾弾されたのです。

そんな『ハレンチ学園』と永井氏、そしてチビッコたちを身を挺して擁護したのも、阿部氏でした。そのユーモラスな容貌と親しみやすさからいつしか“カバゴン”先生とあだ名された阿部氏は、テレビや雑誌に引っ張りだことなります。そして、怪獣のごときパワーで日本人の性意識に変革をもたらしたのでした。

カバゴンがけん引した性教育論争により、1972年には性教育研究家の北沢杏子氏が幼児向け性教育絵本『なぜなの? ママ』を刊行し、“われめちゃん”という呼称を使って話題を呼ぶなどしました。

そして、何と言っても1970年代中ごろにブームとなった“豆本”と呼ばれた、小型の実用百科の影響は見逃せません。あらゆるジャンルを網羅した豆本は、子供たちの性の部分にもスポットを当てたのです。

それらの本に掲載された女体の透視図や性器の図版によって、初めて女性の局部をイメージできたという人も多いのではないでしょうか。子供たちは面白半分でこれらの本を立ち読みし、性の悩みから開放されたはずです。

この『新チビっ子猛語録』(二見書房=1975年)は、スウェーデン、アメリカ、フランスなど世界の性教育の教科書18冊をもとにして編集された画期的な性教育本。いわば、当時の世界標準的性教育の内容が一覧できたのです。内容はいたって真面目なものでした。

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