軍事力を拡大する中共政府…空母・遼寧の香港寄港に隠された思惑とは? (2/2ページ)

デイリーニュースオンライン

 中国と対立関係にある台湾の人々にとって、遼寧は危険な存在です。SNSには「われわれ台湾人にとっては気分の悪いことだが、中国人にとっては誇り高きイベントだろう」、「1997年に中国に返還された時から香港の政治や人権の自由度は低下する一方だ。台湾は絶対に中国と併合してはいけない」と警戒する意見が多く寄せられていました。「中国政府は軍事力ではなく、経済や文化の力で香港と融和するべきだ」と、中共政府の姿勢を批判する声もありました。

 香港や台湾の人々が批判的な意見を寄せる一方、狂喜しているのが中国人です。「すごい! 香港は世界中の人々が集まる場所、中国の強さを世界にアピールできた!」、「遼寧を使って、日本と韓国をいじめてやろうぜ!」といった幼稚で下らない意見がいくつも寄せられていました。悦に入る彼らの様子を見れば、香港や台湾、日本や韓国など周辺諸国の人々は、大抵呆れかえってしまうでしょう。

 アメリカが世界のリーダーの地位に君臨しているのは、強大な軍事力以外にも国家が自由や人権を尊重していること、豊かな想像力を使い世界中に優れた文化を配信しているからです。

 一方、中国は今回の遼寧寄港に代表されるように、軍事力と成金じみた経済力で他国を無理やり屈服させようとしています。「21世紀の盟主」をめざす中国ですが、現状は「世界の盗賊」、「卑劣なテロリスト」にすぎません。

著者プロフィール

漫画家

孫向文

中華人民共和国浙江省杭州出身、漢族の33歳。20代半ばで中国の漫画賞を受賞し、プロ漫画家に。その傍ら、独学で日本語を学び、日本の某漫画誌の新人賞も受賞する。新刊書籍『中国が絶対に日本に勝てない理由』(扶桑社)が発売中。

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