国家公務員になるには 仕事内容や試験について知ろう

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国家公務員になるには
「公務員は安定した仕事」なんていわれます。行政機関の仕事に従事するお仕事ですから、人気も高い職業です。公務員は「国家公務員」「地方公務員」に分かれます。今回は「国家公務員になるにはどうすればいいか」についてご紹介します。



■「国家公務員試験」には「一般職」「特別職」がある

国家公務員は、日本国政府の行政機関、また独立行政法人に勤務する人です。砕けた表現で言えば「政府のお役人」ですが、「国家公務員法が適用される人のこと」(正確ではないので後述)といった説明がされることもあります。国家公務員は雇用の面では安定しており、国家公務員になりたいという人も多いですね。


国家公務員には、

・一般職
政府各省庁、独立行政法人などに勤務する一般の国家公務員


・特別職

特別な国家公務員

があります。『国家公務員法』によれば「国家公務員 特別職」は以下のようなものとなっています。


・内閣総理大臣
・国務大臣
・人事官及び検査官
・内閣法制局長官
・内閣官房副長官
・内閣危機管理監及び内閣情報通信政策監
・国家安全保障局長
・内閣官房副長官補、内閣広報官及び内閣情報官
・内閣総理大臣補佐官
・副大臣
・大臣政務官
・大臣補佐官
・内閣総理大臣秘書官及び国務大臣秘書官並びに特別職たる機関の長の秘書官のうち人事院規則で指定するもの
・就任について選挙によることを必要とし、あるいは国会の両院又は一院の議決又は同意によることを必要とする職員
・宮内庁長官、侍従長、東宮大夫、式部官長及び侍従次長並びに法律又は人事院規則で指定する宮内庁のその他の職員
・特命全権大使、特命全権公使、特派大使、政府代表、全権委員、政府代表又は全権委員の代理並びに特派大使、政府代表又は全権委員の顧問及び随員
・日本ユネスコ国内委員会の委員
・日本学士院会員
・日本学術会議会員
・裁判官及びその他の裁判所職員
・国会職員
・国会議員の秘書
・防衛省の職員(防衛省に置かれる合議制の機関で防衛省設置法 (昭和二十九年法律第百六十四号)第四十一条 の政令で定めるものの委員及び同法第四条第一項第二十四号 又は第二十五号 に掲げる事務に従事する職員で同法第四十一条 の政令で定めるもののうち、人事院規則で指定するものを除く)
・独立行政法人通則法 第二条第四項 に規定する行政執行法人の役員


⇒『国家公務員法』第二条第三項より引用
http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxselect.cgi?IDX_OPT=1&H_NAME=%8d%91%89%c6%8c%f6%96%b1%88%f5%96%40&H_NAME_YOMI=%82%a0&H_NO_GENGO=H&H_NO_YEAR=&H_NO_TYPE=2&H_NO_NO=&H_FILE_NAME=S22HO120&H_RYAKU=1&H_CTG=1&H_YOMI_GUN=1&H_CTG_GUN=1


なにせ「内閣総理大臣」が入っていますので、特別職は確かに特別なものですね。特別職以外の国家公務員は全て一般職になります。

また、国家公務員について定めたこの国家公務員法は、その一般職にのみ適用されます。ですので、よくいわれる「国家公務員法の適用される人」という説明は「国家公務員 一般職」については正しいということになります。

■国家公務員になるには?


国家公務員になるためのフローは下のようになります。


国家公務員採用試験を受験して合格

官庁訪問

内定をもらう

本採用


注意してほしいのは、国家公務員採用試験に合格してもすぐに国家公務員になれるわけではないという点です。国家公務員採用試験に合格すると「採用候補者名簿」に名前が登録され、府省はその名簿の中から採用する人を選ぶのです。


「官庁訪問ってナニ?」と思うかもしれませんが、これは就活における「面接」のようなものです。さらにいえば「各府省からの業務内容の説明会および採用面接」です。行政機関の業務内容は、外からは大まかにはわかっても、細部については説明を受けないとわかりませんね。そのため担当者は採用希望者に説明をし、面接を行うのです。


この面接は非常に重要です。あなたがその府省でどのように働きたいのか、どれほどの知識と意欲があるのかが問われますし、府省側でも採用したい人材であるのかを見極めようとします。国家公務員採用試験の点数が高いことも必要ですが、その仕事に就きたいという熱意が重要です。官庁訪問の結果、各府省から内定が出れば採用となります。

■国家公務員採用試験は難しい!


上記のとおり、国家公務員になるには、まず国家公務員採用試験に合格しないといけません。国家公務員採用試験には、主に以下の4つの試験があり、それぞれに「院卒者試験」「大卒程度試験」「高卒程度試験」といった種類があります。またそれぞれの種類で「試験区分」があります。


この試験区分はいわば専門に当たり、府省の職務内容の違いによって設けられており、例えば、総合職試験の院卒者試験であれば、行政、人間科学、工学、数理科学・物理・地球科学、化学・生物・薬学、農業科学・水産、農業農村工学、森林・自然環境という区分があります。受験者は、種類と区分に応じて受験することになります。


●国家公務員試験の主なもの
・総合職試験
主として政策の企画立案など、高度な知識・技術または経験を必要とする業務に携わる係員を採用するための試験

・一般職試験
主に、法律や政令などの執行に関わる手続きや運用などの事務処理等の業務を行う係員を採用するための試験

・専門職試験
特定の行政分野に関わる専門知識を有するかどうかを重視して行う係員の採用試験

・経験者採用試験
民間企業等で実務経験のある人を主に対象とした採用試験


また、受験資格についても異なっていますので、受験希望者はその点にも注意してください。例えば、総合職試験の大卒程度試験(平成29年度)なら、

(1)昭和62年4月2日~平成8年4月1日生まれの者
(2) 平成8年4月2日以降生まれの者で次に掲げるもの
ア 大学を卒業した者及び平成30年3月までに大学を卒業する見込みの者
イ 人事院がアに掲げる者と同等の資格があると認める者


という具合です。
⇒引用元:内閣官房『国家公務員Career Guide』
http://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/recruit/howto/

⇒データ参照元:『人事院』「国家公務員採用 総合職試験(院卒者試験・大卒程度試験)受験案内」
http://www.jinji-shiken.go.jp/pdf/shiken11-13.pdf


ちなみに試験の難易度は高く、人事院の「平成28年度国家公務員採用試験実施状況」によれば、「院卒者・大卒程度、高校卒業程度」試験の受験者計13万6,079人に対して、最終合格者は2万1,222人ですから、その倍率は「15.6%」となります(試験の種類・区分などの別を含みます)。

⇒データ出典:『人事院』「平成28年度国家公務員採用試験実施状況」
http://www.jinji.go.jp/saiyo/siken/28_jissijyoukyou.pdf


国家公務員になるには? をまとめてみましたがいかがだったでしょうか。試験がまず難関ですが、それを突破しても官庁訪問をクリアしなければなりません。本採用を勝ち取るのはかなり難しいのが現実です。国家公務員を目指す人は試験対策だけでなく、長丁場を乗り切るための体力を付けることも忘れないようにしてください。


(高橋モータース@dcp)

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