まるで小宇宙、「ルーマニアの軽井沢」にあるシナイア僧院のフレスコ画に息を呑む (1/3ページ)
「カルパチアの真珠」とたたえられる、標高800メートルの景勝地、シナイア。ルーマニアは首都ブカレストから北へおよそ130キロのところに位置する小さな町で、18世紀には王侯貴族の別荘地として栄えました。
避暑地としても人気の高い緑豊かなリゾート地で、首都から日帰り旅行ができるという点からも、日本でいえば軽井沢のような存在といえるでしょう。
そんなシナイアの代名詞的存在ともいえるのが、シナイア僧院。というのも「シナイア」という町の名は、シナイア僧院にちなんで付けられたからです。

17世紀にルーマニア人貴族ミハイ・カンタクジが、現在のイスラエルへ巡礼の旅に出かけ、聖書にも登場するシナイ山を訪問。帰国後、この地に「シナイ山」にちなんで「シナイア僧院」を建て、それがシナイアという町の由来になったのです。
山道にひっそりとたたずむシナイア僧院。現代のように交通が発達していなかった当時は、俗世から隔絶された聖地だったのでしょう。
門を入って正面に見える大教会は、ドイツから招かれてルーマニア王国の国王になったカロル1世が1846年に建立したもの。

3つの尖塔や横縞の外壁が独特の存在感を放っていて、柱や扉に施された精緻な装飾や美しい壁画は圧巻。イコンで覆われた内部は、厳かな空気に満ちています。