むくみに効く! ツボ押し、ツボ温灸を専門家が解説

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むくみに効く! ツボ押し、ツボ温灸を専門家が解説
むくみに効く! ツボ押し、ツボ温灸を専門家が解説

むくみ解消のためにツボを押すって、よく聞きますよね。でも、ツボの正しい押し方を知っていますか? 気になる部分をとりあえず押しているだけなのでは? そこでむくみに効果のある箇所のツボ押し・ツボ温灸(おんきゅう)のやり方を鍼灸(しんきゅう)師の足立美穂先生に教えていただきました。

■なぜ、むくみはツボを押すと解消されるのか

足立:人の体にはおよそ360個ものツボがあります。でも、それぞれが独立したものではなく、ツボとツボを結んだ❝ 経脈(けいみゃく)❞と呼ばれる流れになっていて、手足から内臓に向かって走行する流れと内臓から手足に向かって走行する流れがあります。内臓に変調が起こると経脈の流れが悪くなり、それは血管やリンパ管の流れも悪くなっているということなんです。そんなときツボを使って滞っている場所を刺激することで、経脈の流れ全体がよくなり内臓の動きもよくなります。

◇むくみとは「停滞した水」

足立:血液の循環が悪くなると、毛細血管から漏れ出た血液中の成分(間質液)をリンパ管が吸収します。しかし、リンパの流れが悪いとリンパ管でも吸収されずに、むくみになってしまうのです。東洋医学では、リンパの流れを水分代謝と捉えていますが、水分代謝が低下すると水が停滞してむくみがおこります。

軽度のむくみには消化器官が関係していて、胃もたれや食欲不振のときに足や顔がむくむことがよくあります。そんなとき舌の苔を見ると、白くてべっとりした苔がついています。東洋医学では舌診(ぜっしん)と呼ばれ、舌で体の状態を診察する手法です。白い苔は、胃腸の調子が悪くなった結果、体の水分代謝が落ちていることを表すのです。

水分代謝(リンパの流れ)が悪い状態が続くと、今度は血液循環も悪化し血行不良になり、顔のむくみ・目周囲のクマ・唇の色の悪さ・爪の色のくすみ……などが出てきます。

■むくみを解消するツボとは?

むくみの原因と、なぜツボ押しでむくみが解消されるのかがわかりましたね。では、具体的にどこのツボをどのように押す・温めると効果的なのかをお聞きしました。

◇むくみに効くツボの押し方・温め方

☆足のむくみ

内くるぶしから膝の内側にむかい、経脈にそって摩擦します。親指を除く4本指の第2、第3関節を使って、なでるように摩擦します。

☆手のむくみ

経脈にそって手首の中央から肘にむかって内側、外側両方を摩擦します。

☆顔のむくみ

耳のすぐ後ろから鎖骨に向かって、摩擦します。5回ほど摩擦したら、翳風(えいふう)ツボを5秒軽く押さえます。

◇ツボ温灸とは

足立:「ツボ温灸」とは私が作った造語で、ツボを温めるために簡単な道具「ツボ温灸セット」を作ります。該当するツボに「ツボ温灸セット」を当てて、10分ほど置くことによって血流を改善させるのです。

☆自分でできるツボ温灸セット

(1)オーガニックコットン10センチ角を袋状に縫い、中に乾燥小豆を袋の6割くらいまで入れます。(このとき、コットンは天然繊維100%のものを使用してください。化学繊維が入っていると、発火する場合がありますのでご注意ください)

(2)これを電子レンジで1分程温めます。電子レンジの種類により異なりますが、温め過ぎると小豆が割れてきて使用できなくなってしまいます。初めは30秒ほど温めてから、10秒くらいごとに確認しつつ温めてください。手にのせてじんわり温かさを感じる程(熱すぎるとやけどするので注意してください)になれば、ツボ温灸セットのでき上がりです。

足立:ツボ温灸セットを電子レンジで温めて準備ができたら該当するツボの上に置きます。じんわりとした温かさがなくなれば終了で、目安は10分程度ですね。

※ツボ温灸セットは繰り返し使えますが、一度使ったセットは半日以上空けてから使用してください。小豆の水分が出切って割れてくると寿命なので、小豆を入れ替えましょう。

◇ツボ温灸セットを使って、ツボを温めよう

☆手のむくみ・だるさのツボ 手三里・陽池 効果:体を温める力がつく。陽気の力がつき、水分代謝が上がりむくみを解消する。

☆足のむくみのツボ 三陰交・陰陵泉 効果:体の水分代謝を上げる。

☆顔のむくみのツボ 天容(てんよう)・天牖(てんゆう) 効果:耳周りのリンパ、頸(けい)動脈が周囲にあり、血流およびリンパの流れを改善する。天容は耳鳴・のぼせを解消するのにも効果的。天牖は片頭痛にも効果的。

■ツボ押し・ツボ温灸の注意点

主なツボをご紹介していただいたので、これでむくんでいる箇所に応じて、ツボ押し・ツボ温灸ができますね! 次はツボ押し・ツボ温灸の注意点について聞いてみました。

◇ツボ押し・ツボ温灸の注意点

足立:ツボ押し・ツボ温灸は、入浴前後30分は皮膚の痒みが出る場合があるので控えて下さい。皮膚が弱い方やアトピー性皮膚炎の方は皮膚が温められるとかゆみを生じる場合があるので、ツボ温灸よりもツボ押しのほうがよいでしょう。ただ、ツボ押しもあまり強く押すと筋肉を痛める可能性がありますので、注意して行ってください。また、ツボ押しやツボ温灸で血流が良くなっている状態で運動をすると、運動後に疲労感が強くなる場合があります。1時間ほど時間を空けて頂ければ問題ないでしょう。

◇放置はNG! 持続性のむくみ

足立:リンパ管の循環が悪いと、漏れ出た間質液を再吸収しにくいためむくみになります。軽度のむくみはそれ程心配ありませんが、それが持続してしまうと毛細血管全体の流れを悪くなり、爪の色が悪くなったりします。この状態を放っておくと、太い動脈や静脈の流れが悪くなり体全体の血流悪化につながります。これが動脈硬化の一因でもあると考えられています。循環器系の病気の素因は1~2カ月でできるものではありません。数年もしくは数十年かけてゆっくりと体の循環が悪くなり、突然症状が現れる事もあるので、きちんと検査を受けて体調を知ることも大切です。

自分で体の変化を感じたら身近な所から血流改善をして、病気になってしまう前に予防する『予防医学』もぜひ取り入れていただけたらと思います。

■まとめ

むくみは部分的でも、それは体全体のリンパの流れ・水分が停滞している血行不良のサイン。いつでも手軽にできるツボ押し・ツボ温灸で、毎日スッキリ過ごせる体づくりを目指しましょう。

参考文献:『針灸経穴辞典』 東洋学術出版社

(監修:足立美穂)

※画像はイメージです

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