Jリーグで「違う選手を退場」させる大誤審

まいじつ

sh2 / PIXTA(ピクスタ)
sh2 / PIXTA(ピクスタ)

8月16日に行われたサッカーJ2のFC町田ゼルビア対名古屋グランパスの試合でとんでもない誤審があった。

「3-3で迎えた87分に、相手ゴール前へ抜け出そうとした名古屋MF青木亮太が、町田DF深津康太と奥山政幸に挟まれる形で倒されました。これを見た家本政明主審はレッドカードを提示しました。この流れであれば、レッドカードは深津か奥山だろうと思われましたが、何とプレーに関わっていないMF平戸太貴に退場を命じたのです」(サッカー記者)

家本主審はファールの判定をして笛を吹いたのちにレットカードを提示した。しかし、誰に向けて提示したのかは明らかではなく、レッドカードを出したのちに線審を務めるアシスタントレフェリーの話を聞いた上で、平戸がレッドカードの対象であると告げた。

平戸はもちろん「自分はやっていない」と主張。深津も「あいつは関係ない」と主審に主張したが判定は変わらなかった。名古屋はこのファールで得た直接フリーキックをゴールへ突き刺し、試合は3-4で名古屋が勝利している、試合終了後、町田の相馬直樹監督は「最後に勝った側にしても、われわれにしても、あのひとつの場面でだいぶ印象が変わってしまったということが残念だと思います」と不満を表し、町田はJリーグに対して規範に則ってマッチコミッショナーに口頭で意見を述べた。

「この件でJリーグは規律委員会で人違いを認め、平戸のレッドカードを取り消し、深津に差し替えるという処置を取りました。この処置によって平戸は1試合の出場停止がなくなり、深津が1試合の出場停止へ変更されています」(同・記者)

過去に多くの問題を起こしている主審

今回の退場者の取り違えは、主審と副審が競技した上で退場者が告げられているため、一概に主審のみの責任を問うことはできない。しかし、この主審は過去に何度も誤審を繰り返していることで、Jリーグ各チームのサポーターには有名な審判であるため、主審の責任を問う声がSNS上で多く見られた。

2008年3月1日に行われたゼロックススーパーカップの鹿島アントラーズ対サンフレッチェ広島戦で、鹿島GK曽ヶ端準の三度のPKセーブのうち二度をやり直させるなどをし、合計11枚のイエローカードを出した。この判定がサポーターの怒りを買い数十人がピッチに乱入し、ファンのひとりが救急車で運ばれる騒動になった。鹿島はJリーグに意見書を提出し、主審は無期限担当割り当て停止の措置処分が下された。

2009年7月に行われたナビスコ杯(現・ルヴァン杯)ガンバ大阪対s横浜F・マリノス戦では、横浜FMのDF中澤佑二がG大阪FWルーカスのひじ打ちを受け負傷。主審の家本はそのファウルを見落としただけでなく、中澤が患部を押さえて倒れていたにもかかわらず試合を続行した。このプレーによって中澤は右眼窩底の骨折をしている。横浜FMはJリーグに対して意見書を提出し、主審はその際「見えていなかった」との見解を示し、横浜FM関係者を激怒させている。

さらに、2016年7月のJ1リーグ、ヴァンフォーレ甲府対ベガルタ仙台戦では、前半のアディショナルタイムが“1分”と掲示されたにも関わらず1分を経過する前の約20秒程度で笛を吹き、前半を終了させている。このときは両キャプテンや監督、スタッフらが「なぜ時間が残っているのに終わるのか」と、家本主審に詰め寄る事態になった。この試合の実行委員によれば「主審は0分と第4審判員へ伝えたが、手違いで(第4審判は)1分と掲示してしまった」という。

こうした手違いや誤審が多い審判だったので、今回の出来事も主審のみの責任を問う声が多く出ている。しかし今回は、主審と副審が話をした上で、退場者の取り違えが起きている。家本主審のみによる間違いは、ファールを犯した選手が誰であるかを確認する前にレッドカードを提示したことだ。

大きな波紋を呼んだ今回の誤審。検証結果が待たれる。

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