やくみつるの「シネマ小言主義」 60代美女が演じる「変態」ムービー 『エル ELLE』 (1/2ページ)

週刊実話

やくみつるの「シネマ小言主義」 60代美女が演じる「変態」ムービー 『エル ELLE』

 昨今、「還暦女の私が…」と自嘲気味に話す、世にも恐ろしい形相の松居一代がワイドショーを騒がせていますが、このフランス映画の主人公ミシェルを演じるのも、1953年生まれのイザベル・ユペール、64歳。新鋭ゲーム会社のワンマン女社長という設定も容姿も、現役感バリバリ。見ているこちらも“アリだよな”と思ってしまうほどのクールな美女です。
 さらにフランス社会というのは、何歳になっても、まるで食の趣味・嗜好のように、性癖や性生活を普通にワインを飲みながら語り合うんですね。年齢とともにしなくなる草食系日本人としては、80歳超と思われるミシェルの母までもが、整形手術を繰り返しながら若い男とのアヴァンチュールを謳歌していることに驚かされます。

 日本にも「熟女AV」という特殊ジャンルはあるものの、60代女性が主人公の恋愛サスペンス映画なんてまだないですから、本作の日本版を作ってみたら意外といい味わいになるかも…と、ついキャスティングを考えてしまいました。
 大竹しのぶだとちょっとドロドロしすぎてしまいそうですが、山田太一監督の『家族はつらいよ』シリーズに出ていた夏川結衣みたいな普通の主婦役ができる人なら、大人のエロスが出てソソられるかも。

 それにしても、海外の映画によく出てくるパターンが本作にも登場します。それはホームパーティーで、円卓を囲みながらを食事をするシーン。大抵、そこで爆弾発言が飛び出し、モメ出すのですから、こんなパーティー形式はやめときゃいいのに、といつも思います。

 ところで、先日、自分はあるコンサートの「音楽プロデューサー」として選曲などを担当する機会があったのですが、演奏者の1人だったピアニストさんが、なかなかに素敵な方でした。あとで知ったのですが、62歳だったそうなのです。
 女性を年齢で判断するのは時代錯誤だとは思いますが、素直に素敵だな、と感じてしまったので、自分自身、年とともに守備範囲の年代が上がるもんなんだ、とあらためて自覚した次第。

 年齢の自覚といえば、白内障の手術を無事終えまして、見える世界が劇的に変わりました。矯正視力が1.0以上出るなんて久しぶりで、まるで8Kのテレビ画像を見ているかのよう。
 一番驚いたのは、鏡で見た自分の顔です。

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