ヨーロッパでイスラムの風を感じる、コソボの歴史都市・プリズレンを訪ねて (2/3ページ)
ドームの内側に描かれたアラビア文字や植物をモチーフにした幾何学模様に目を奪われます。
プリズレン観光の目玉ともいえるのが、町の東にある丘の上にそびえる城塞。11世紀に築かれたもので、かつてはセルビア王国の都としての機能を果たしていたといいます。
プリズレンの町を一望できる最高のビュースポットとして人気を集めていて、現在アメリカ政府の援助を受けて修復作業が行われています。
眼下には、オスマン朝時代のモスクやハマム(トルコ式風呂)、セルビア正教の教会など、多彩な文化的背景をもつ歴史的建造物が組み合わさったユニークな風景が広がっています。
城塞までの坂道は、決して足場が良いとはいえないので、歩きやすく滑りにくい靴で出かけましょう。
実は、プリズレンには世界遺産もあります。それがレヴィシケ(リェヴィシャ)の正神女教会。
14世紀に建てられた後期ビザンチン様式のセルビア正教の教会で、オスマン朝時代にはモスクに転用され、20世紀はじめにセルビア正教の教会に戻ったという複雑な歴史をもつ教会です。
「コソボの中世建造物群」を構成する建造物として世界遺産に登録されていますが、2004年のコソボ暴動の際に焼き討ちに遭い、廃墟と化してしまいました。