ヨネクラジム「チャンピオン虎の穴」55年記(1)プロ育成にこだわり続けた (2/2ページ)
16歳で初めてジムを訪れた時のことを、ガッツ氏は、はっきりと覚えているという。
「ジムはまだ大塚にあった頃でした。窓から中をのぞいたのですが、あまりの迫力と殺伐とした雰囲気にけおされてしまって、足が動かないんです。結局、その日はジムに足を踏み入れることなく家に帰りました」
翌日、意を決してジムに入り大声で挨拶するものの、トレーナーから返ってきたのは「何しに来た!」という怒声だった。
「とにかくジムには人があふれていました。だから入門後もなかなかトレーナーから声をかけてもらえないし、教えてもらえない。サンドバッグを打つのも奪い合い。リングに上がる前に、ジムの中ですでに争いがあったんです」
リング上のみならず、ジム内での激しい「生存競争」もまた、ヨネクラジムの全盛期を支える原動力ともなっていたのである。