【プロ野球】どうなる巨人? CS圏内を射程に入れた今、高橋由伸監督の「2年目の手腕」を徹底検証!《前編》 (2/2ページ)
■割り切りまでに時間がかかった点はマイナス
そもそも前半戦は動きすぎた。陽岱鋼の故障や長野の不調など想定外の要素もあったが、13勝12敗で貯金1の3、4月は3番・坂本勇人、4番・阿部慎之助、5番・マギーでクリーンアップはほぼ固定化されていた。
5月になって高橋監督は動く。中井大介、立岡宗一郎の1、2番コンビの調子が上向かないと見るや、その変革に着手したのだった。橋本到、石川慎吾、重信慎之介などを起用したが、小手先感は否めない。これが悪夢のはじまりだった。
結局、5月20日には当時、打率.217と苦しむ長野を1番で起用。2試合連続マルチヒットを記録したが、これは、3日前には代打待機させていた長野を急遽カンフル剤として指名した起用だった。
迷走も迷走である。さらに連敗中にはクリーンアップも解体。1番に坂本を起用したかと思えば、連敗脱出した日は1番・陽、2番・坂本という珍オーダーになっていた。はっきり言って連敗が伸びていてもおかしくはなかった。坂本は連敗脱出の翌日から体調不良でスタメン落ち。心労が伝わる出来事だった。
スタメンを見るだけでいかに当時の巨人が情緒不安定だったか丸わかりだ……。
ただし、高橋監督の大胆な決断は成功する傾向にある。次回は今後の展望を描きたい。
(成績は9月2日現在)
文=落合初春(おちあい・もとはる)