薄毛治療でEDになる?AGA治療薬にまつわる噂のウソ・ホント
AGAで薄毛治療を受けている男性が、治療薬の副作用で勃起不全(ED)を起こす、という噂を耳にしたことはないでしょうか?
実際、臨床試験も行われており、副作用の有無などが明らかにされております。
男性のデリケートなお悩み「薄毛治療とEDの関係」や、その他にもあるAGA治療薬や薄毛にまつわる気になる噂について、医師に詳しく解説をしていただきました。
AGAとは

男性型脱毛症(Androgenic Alopecia)の略です。男性型脱毛症とは、青年〜中年男性で、額から頭頂部の髪が柔らかく細くなり、額の生え際が後退する状態です。
毛根にある男性ホルモン受容体にテストステロンという男性ホルモンが作用し、毛の元となる細胞の活動性を変えてしまうことが原因と言われています。
女性・子どもの脱毛とは区別
女性や子どもでも起こる以下の脱毛とは区別して考えられます。
・産後の女性に見られる脱毛
・抗がん剤などの薬による脱毛
・貧血・甲状腺疾患などによる薄毛
しかし、更年期以降の女性は女性ホルモンが減少し、男性型脱毛症と同じ仕組みでの脱毛が見られることがあります。
AGA治療薬の主な種類
ミノキシジル
日本皮膚科学会が発行しているAGAガイドラインで第一選択とされているのが、5%ミノキシジルを塗り薬として使用することです。
この成分はもともと血管を広げて血圧を下げるための飲み薬として開発されたのですが、AGAで発毛を促進する効果が発見され、逆に高血圧治療薬としては併用できない薬や副作用が多いため使用されなくなりました。
フィナステリド
他によく使用されるのがフィナステリドの内服です。
この薬はテストステロンが活性を持つジヒドロテストステロンに変化するのを邪魔することで、毛根の細胞に作用できなくする薬です。
デュタステリド
2016年に承認された薬としてデュタステリドがあります。
フィナステリドと同じくテストステロンが活性を持つのを邪魔する薬ですが、作用が少し違い、頭頂部だけでなく前頭部の発毛効果もあると宣伝されています。
巷の噂 その1:AGA治療薬でEDになる?

ミノキシジル
ミノキシジルの塗り薬には性機能に関係する副作用はないと考えられますが、飲み薬には性欲減退・勃起不全が報告されているようです。
フィナステリド
日本国内の臨床試験で、一年間のフィナステリド内服を続けた患者さんで、2.9%に勃起不全・射精障害・精液量減少など性機能障害がありましたが、プラセボ(フィナステリドを含まない偽の薬)を飲んだ人との差が認められなかったとされています。
デュタステリド
性欲減少(5%程度)、勃起不全(4%程度)、射精障害(4%程度)などが報告されています。(参考)
検討すべき課題
こういった性機能障害は、薬の作用機序から考えると可逆的(薬をやめれば元に戻る)と考えられますが、どの程度の期間で回復するかは検討されていません。
巷の噂 その2:AGA治療薬で胸が膨らむ?

男性にも女性ホルモンは存在する
乳房が大きくなる現象を女性化乳房と呼びます。男性の乳房にも母乳を出すための乳腺組織がわずかに存在します。
乳腺組織や乳房の脂肪は女性ホルモンの作用で大きくなります。女性ホルモンは卵巣からだけでなく、脂肪細胞などからもわずかに放出されるため、男性にも女性ホルモンは存在します。
肝機能の低下で胸が大きくなることも
女性ホルモンを破壊して体の外に捨てる作用をしているのは肝臓ですが、肝臓の機能が何らかの原因で低下すると、女性ホルモンが廃棄されずいつまでも血液中をめぐることになり、乳房が大きくなることがあります。
AGA治療薬は肝臓で分解処理されるため、まれに肝臓の機能を低下させることがあります。
しかし、AGA治療薬の副作用として女性化乳房は挙げられておらず、現実的には「薄毛治療で乳房が大きくなるのでは」と心配する必要はないと考えられます。
巷の噂 その3:バイアグラを飲むと薄毛になる?

シルデナフィル(バイアグラ)の副作用としての脱毛は、海外の投与実験で0.1%未満に認められたと報告されています。
ほぼ無視してよい数値と思われます。
最後に医師から一言

日本人で薄毛を気にしている男性は1,000万人以上と言われています。
健康保険が適応にならず自費診療になりますが、クリニックで治療を受けられる際には薬の特徴や副作用を理解するようにしましょう。
(監修:Doctors Me 医師)