ビタミンBが胎児の奇形や流産予防に?妊婦への今後の展望を解説【最新研究】

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2017年8月11日、オーストラリアの研究家が、ビタミンB3と先天奇形に関する最新研究内容を報告しました。(参照)


 


今後、妊婦にも応用が期待されており、流産や死産などのリスクも減らす可能性も示唆されております。


 


今回は、最新研究の考察、妊婦におけるビタミンBの必要性などを医師に解説していただきました。


  



 


 


最新研究について 

研究


 


研究背景

心臓、背骨、腎臓のすべてに先天奇形を持つ患者が生まれた4家系に属する人たちの遺伝子を調べたところ、アミノ酸の一つであるトリプトファンを分解する経路にかかわる異常が見つかりました。


 


トリプトファンは肉などあらゆるタンパク質を構成する基本的なアミノ酸で、体内で分解されてナイアシン(ビタミンB3、ビタミンP)になります。


 


今回見つかった遺伝子異常があると、体内でビタミンB3の濃度が少なくなることが分かりました。


 


研究内容

健康なネズミの遺伝子を操作し、今回見つかったのと同じ遺伝子異常を持ったネズミを作ったところ、奇形の赤ちゃんネズミが生まれました。


 


しかし、このネズミに妊娠中ビタミンB3を与えた所、奇形のない健康な赤ちゃんネズミが生まれたということです。


 


今後の展望

体内のビタミンB3が低い妊婦を発見し、ビタミンB3を与えれば、奇形が減らせるのではないかと期待される、というのが今回の発表です。


 


奇形が重度であるために子宮内であっても生命を維持できない場合は流産・死産となりますので、ビタミンB3投与により流産・死産も減らすことができるのかもしれません。


 


注意点

■ 遺伝子異常を持たない場合


ビタミンB3が、今回発見された遺伝子異常を持たない妊婦に対して有効かは分かりません。


 


■ 心臓・背骨・臓器以外の奇形への効果


心臓・背骨・腎臓のすべてに関係する先天奇形についてはビタミンB3投与で予防できる可能性がありますが、それ以外の奇形についての効果は不明です。


 


こういった重複奇形は、臓器形成の根本的な過程で働く遺伝子の異常によって起こると思われますが、それ以外にも奇形の原因は多種多様に存在し、どの遺伝子の異常が奇形につながるかはまだまだ解明されていません。


 


■ ビタミンB3の摂取量・期間について


ビタミンB3を妊娠中どの程度の量・期間取ればよいかも不明であり、過剰に取り過ぎた場合に何か問題はないのかも今回の研究からは分かりません。サプリメントで摂取してよいのか、食品由来が望ましいかも不明です。


 


 


妊婦におけるビタミンの必要性

新生児


 


そもそもビタミンとは、生きていくのに必要な栄養素のうち、炭水化物・脂質・タンパク質・ミネラル(ナトリウム、鉄など)以外のものの総称で、様々なものが含まれます。


 


ビタミンBは、水に溶け、炭水化物をエネルギーにする過程で働くという共通点があります。


 


効果的なビタミン

■ ビタミンB3、ビタミンM


妊婦が積極的に摂取すべきと広く知られている「葉酸」も、別名ビタミンB3もしくはビタミンMです。葉酸は二分脊椎などの背骨・神経の奇形を予防すると分かっています。


 


注意が必要なビタミン

■ ビタミンA


妊娠中に摂取しすぎることが奇形を招くと言われています。


 


 


ビタミンB不足のサイン

口内炎


 


妊婦に特有というわけではありませんが、ビタミンB3が足りないと、ペラグラと呼ばれる皮膚炎・口内炎・貧血・下痢などが現れるとされています。


 


逆に過剰に取り過ぎても下痢・嘔吐・肝機能の異常といった副作用が現れることがあります。


 


 


ビタミンBが豊富に含まれる食材

レバニラ


 


ビタミンB3

・レバー


・肉


・魚


 


ビタミンB6(葉酸)

・葉物野菜


・キャベツ 


・レバー


・鶏のささみ 


・マグロ 


・かつお 


・うなぎ 


・牛乳、乳製品 


・じゃがいも 


・さつまいも 


・卵 


・バナナ 


・メロン 


 


 


ビタミンBと妊娠に関する相談例

医師への相談


 


質問1:葉酸が含まれる食べ物を教えてください

 ■ 相談者(女性)


葉酸が含まれる食べ物を教えてください。


 


■ 栄養士からの回答 


葉酸の多い食べ物には鶏や豚、牛などの肝臓(レバー)やうなぎの肝などの動物性のものから、クレソン、アスパラガス、枝豆、モロヘイヤ、菜の花など緑の植物性の食べ物などにも多く含まれています。


 



 


 


質問2:妊娠中にビタミンを摂りすぎると胎児に悪影響ですか?

■ 相談者(40歳/女性)


六カ月の妊婦です。安定期に入ったあたりから葉酸のサプリメントと妊婦用じゃない、マルチビタミンを飲んでいました。 


 


ビタミンを摂りすぎていたかもしれません。胎児に悪い影響はありますか?


 


■ 医師からの回答


サプリメントとして葉酸を摂取する場合は、確かに過剰にも注意が必要になります。 妊娠後期に葉酸を過剰摂取していると子供さんが喘息になりやすいという話もあるようです。


 


一つの目安として、葉酸の一日の推奨量は400μg、通常の食事からの摂取は(必要以上蓄積されないため)上限はなし、サプリメント等の加工食品からの摂取は「通常の食事とは別に1000μgまで、ということが示されています。 


 



 


 


質問3:葉酸が先天性の障害リスクを減らすと聞き…

■ 相談者(30歳/女性)


妊娠を希望しています。葉酸が先天性の障害リスクを減らすと聞き、飲んでいます。どのタイミングまで、葉酸の効果はあるのでしょうか?妊娠○カ月後まで、などと、その理由も知りたいです。


 


■ 医師からの回答


産婦人科ガイドラインでは、1日0.4mgの葉酸を妊娠前から投与すると、赤ちゃんの神経管閉鎖障害発症リスクが軽減されることを示されています。


 


ただし、神経管の閉鎖は妊娠6週末で完成するので、妊娠に気づいてからの葉酸服用では遅すぎると明記されております。神経管の閉鎖以外にも、早産や胎児発育遅延などを減らす可能性があることは報告されております。


 



 


 


最後に医師からの一言

赤ちゃんと医師


 


厚生労働省から「日本人の食事摂取基準」という各栄養素の摂取目標値が発表されていますが、こういった研究結果から今後改定が行われていく可能性があります。


 


(監修:Doctors Me 医師)


 


 



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