天才テリー伊藤対談「せんだみつお」(3)辛い時胸に染みた長嶋さんの気遣い (2/2ページ)
当時は「当て逃げ」と報道されたんですけど、実際はこうなんです。少しお酒をいただいたあと、車中で2時間くらい仮眠して酔いを醒ましてから車を出したら、コンと当たっちゃった。ちょっと傷がついてるくらいだけど、いちおう事故だから、僕が携帯で警察を呼んだんですよ。そしたら、酒気帯びということで、当て逃げ扱いされちゃって。
テリー でも、せんださんが呼んだんだったら、酒気帯びはともかく、逃げてはいないじゃない。
せんだ 相手の人も、そう証言してくれたんですけどね。テリーさんには本当のことを知っていてほしいから、このこと、実は初めて話しました。
テリー それは災難でしたねェ。
せんだ それで、出てきてから記者会見して、「しばらく謹慎しなきゃ」と覚悟ができた次の日の朝6時ぐらいに、長嶋さんから電話があったんです。
テリー そんな時間に!? それ、すごいね。
せんだ で開口一番、何て言ったと思います? 「せんちゃん、大丈夫? 死刑にならない? 死刑に」ですって。
テリー アハハハハ!
せんだ それで「大丈夫だと思います」って答えたら、「うーん、当て逃げ、イメージよくないです。それはね、ヒットエンドラン、盗塁失敗だ」って言ったんだから。
テリー それはネタでしょ、絶対にウソだ(笑)。
せんだ 本当なんです、僕、長嶋さんのことではウソは言えないから。
テリー だとしたら、さすがミスターだ(笑)。じゃあ、さっきの「3割8度2分」もウケ狙いで言ったんじゃないと思うよね。いや、最高です。
せんだ でも、つらい時だから、そんな言葉でも本当にうれしかったんですよ。