醍醐味の語源は「蘇(そ)」にあり?古代ロマンあふれる再現グルメ・蘇とは? (2/2ページ)

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仏教の経典には蘇と同一説がある『生酥(しょうそ)』というものが記されており、この生酥から『熟酥(じゅくそ)』を作り、熟酥を加工して、濃厚な味わいを持っているといわれる『醍醐』に至りました。

こうして作り出された『醍醐』のたとえ話は仏教の中でも最上の教え、転じて本当の面白さや味わい深い事を意味する『醍醐味』の語源となりました。我々が何気なく使っている言葉には、古代日本で好まれた乳製品が深く関わっていたのです。

なかなか難しい『蘇』の再現

『蘇』は平安時代以降、一部の貴族や寺社を除いては日本人に顧みられなくなりましたが、現代では企業や研究者、もしくは個人で蘇を再現する試みが行われています。牛乳をじっくり煮詰める製法は、シンプルな手順ながらも焦がしたりしないようにする必要があるため、かなり困難を極めるものと思われます。

そうした方達のたゆみなき努力のお陰で、試行錯誤を経て“蘇った”『蘇』のレシピが多くの書籍やサイトで紹介されるようになりました。

ちなみに、筆者が初めて蘇を食したのは建国神話の主人公である神武天皇の伝説が今も息づく橿原市でした。奈良県を旅行することがあれば、古代の英雄達が愛した『蘇』を味わって古代日本に夢見るのも一興かもしれません。

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