ETFとは? 仕組みやメリット、買い方を解説

フレッシャーズ

ETFとは?

ここ数年、株や投資などの「資産運用」に興味のある人が増えています。しかし商品の種類や専門用語が多いため「何がなんだかわからない」という人も多いそうです。そこで今回は、株や投資の初心者に向けて、金融商品の一つであるETFとは何か、その仕組みやメリット、買い方を解説します。


■ETFとは上場されている投資信託

ETFは「Exchange Traded Fund」の略。そのまま訳すと、「金融商品取引所で取引される投資信託」です。アメリカなど株先進国では早くから導入されており、日本では2013年に導入されました。ETFの他に、上場投資信託、また上場投信と略されて表記されることもあります。

ETFは「上場された投資信託」です。そもそも投資信託とは「投資会社にお金を預けて運用してもらう」という金融商品です。一般的な株取引の場合は、自分で買う株や株数を決めて運用しないといけませんが、投資信託は投資会社や、担当しているファンドマネジャーにお任せなので手間が掛かりません。この手軽さは投資信託の大きな特徴といえます。

また、投資信託はアクティブ型とインデックス型の2種類に分かれています。アクティブ型はファンドマネジャーが独自に銘柄や金融商品を選んで投資信託を作り、高収益を目指すというもの。一方のインデックス型は、日本の場合だと日経平均株価やTOPIXなど、市場の指標(インデックス)となるものと連動するように商品を選ぶ投資信託です。

ETFは上場されていることで、一般的な投資信託にない特徴を持っています。例えば売買取引の時間。一般的な投資信託は金融商品取引所に上場されていないため、売買取引は販売会社が定めた時間でしか行えません。つまり、株取引のように好きなときに売ったり買ったりができないのです。しかしETFは金融商品取引所に上場されている商品なので、証券取引所が開いている時間であれば、好きなときに売買をすることができます。

また、投資信託は「○円で売る・買う」といったことを自分で指定して取引をする指値取引ができませんが、ETFは指値取引が可能です。株と同じ感覚で取引ができる、というのがETFの大きな特徴なのです。

■ETFのメリット・デメリットは?

次はETFのメリット・デメリットです。上で紹介した「証券取引所が開いている時間であれば好きに売買できること」「指値取引ができること」といった、一般的な投資信託と比べた場合のメリット以外に、以下のことがメリットとして挙げられます。

●ETFのメリット1 価格がわかりやすい
投資信託の市場価格は、1日の取引が終わった後に決まりますが、ETFは上場されている商品なので、株価の変動がリアルタイムでわかります。

●ETFのメリット2 価格の変動がわかりやすい
ETFの商品は日経平均株価やTOPIX、またアメリカの株価指数のダウなど、何らかの市場指標に連動するように商品設計がされたインデックス型と、ファンドマネジャーが運用するアクティブ型があります。日本の市場ではアクティブ型ETFの上場が認められていないため、日本の市場で買えるのはインデックス型になります。このインデックス型は、市場指標に連動しているので、一般の株銘柄と比べて値動きが安定しており、わかりやすいのが特徴です。

●ETFのメリット3 信用取引ができる
自分が保有している資金以上に株式を購入できる「信用取引」ですが、上場商品であるETFではこれが可能です。また、価格の下落を予測した場合に、株を保有していない状態で先に売り注文をし、下落したタイミングで買うという「空売り」を行うこともできます。

●ETFのメリット4 信託報酬が安い
投資信託は運用している会社(運用会社、販売会社、銀行)に報酬(信託報酬)を支払う必要がありますが、ETFも投資信託の一種なので信託報酬を払わないといけません。しかしETFは、販売会社への支払いがないため、一般の投資信託と比べて費用が安くなる傾向にあります。

次にETFのデメリットです。

●ETFのデメリット1 投資できる金額の単位が投資信託より高くなる

投資信託は最低で100円(販売会社による)から投資可能と、非常に小額で始めることができます。しかしETFは上場されているため、株と同じく最低購入単位が決められており、例えば市場価格が100円のETF銘柄でも最低購入単位が100株単位であれば、100円×100株=1万円と投資金額が大きくなります。

●ETFのデメリット2 大きなリターンが見込めない
日本で上場されているETFは株価指標と連動するように商品設計がされているため、大きく値崩れすることが少なく、その安定性が魅力です。しかしその分大きく値上がりすることもあまりないため、大きなリターンを求める人には物足りなさを感じてしまいます。

●ETFのデメリット3 利益が自動的に投資されない
投資信託は保有している人に対して配当(分配金)が出ます。この配当金は引き出さない限り(契約時に受取と自動再投資のコースを選ぶ場合もあります)は手数料は掛からない形で自動で再投資され、いわゆる複利でさらに利益を増やしていくことができます。ETFも同じく配当金が出るのですが、自動的に再投資されないため、配当金を手動で再投資しないといけません。その場合、手間だけでなく手数料も掛かってしまいます。

●ETFのデメリット4 純資産価額より低い金額の売買になることがある
銘柄の純資産価額を基に価格が決まる投資信託と違い、ETFの価格は市場が開いている時間は、買い手と売り手の需要で常に値動きします。そのため、買い手が多い場合は価格も上がり、純資産価額以上の金額で売れることがあります。しかしそれとは逆に、買い手が少ない場合は純資産価額よりも低い金額でしか売れないことも出てきます。

ETFはこうしたメリット・デメリットがありますが、「株と投資信託の特徴を併せ持った商品」と考えるとわかりやすいかもしれません。

■ETFを買うにはどうすればいい?

ETFは通常の株取引と同じですので、まずは証券会社など株取引を行う会社に口座開設をしないといけません。運転免許証やマイナンバーのわかる書類などが必要になるので、申し込み前に準備しておくとスムーズです。

口座開設申し込みはインターネットと郵送の2種類があり、インターネットの方が時間がかかりません。その後、「口座開設通知書」が送られてくるので、その案内に従って口座に入金します。入金が確認されたら、これで取引が可能です。あとはその証券会社の売買専用のページに入り、ETFを選んで購入するだけです。「株取引」と聞くと難易度が高そうに思えますが、そこまで難しいものではありません。

もしETFを購入目的で証券会社に口座を作る場合、「手数料」はできるだけ安いところを選びましょう。インデックス型のETFは上でも説明したように安定しているものの、大きなリターンが見込めない商品であるため、より利益を得るのならば手数料の部分をできるだけ削ぐのが大切です。

ETFとはどんな特徴を持つ投資商品かについてまとめてみましたが、いかがだったでしょうか。メリット・デメリットをしっかりと理解すれば初心者でも扱いやすいため、これから投資を始めたいという人にうってつけです。アルファベット3文字の表記だと、なんだか小難しい気がして敬遠してしまいそうですが、ぜひ投資の入門として覚えておいてください。

(中田ボンベ@dcp)

「ETFとは? 仕組みやメリット、買い方を解説」のページです。デイリーニュースオンラインは、金融資産老後社会人年金貯金カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る

人気キーワード一覧