あの美女たちの「まさかの艶シーン」大全(5)<ベテラン女優の心意気>あき竹城はあの名作「楢山節考」で… (1/2ページ)
女は、いくつになっても「おんな」である。まして女優という職業であれば、熟れた年齢になっての「初艶シーン」も、ためらいなくこなしてくれる。
日劇ミュージックホールのトップダンサーだったあき竹城(70)が、女優として認められた作品が「楢山節考」(83年、東映)である。当時36歳と遅咲きではあったが、張りのあるバストで緒形拳の後妻として「初夜」のシーンを迎えた。
「ちっとでかくて不細工だけど、あっちの具合もいい嫁だ」
緒形の言葉に、自身も再婚である竹城が巨大なバストを揺らしながら言う。
「前の父ちゃんより‥‥アレもいいみたいだべ」
東北の寒村という舞台に、山形出身の野性的な肉体がマッチしていた。
これより遡る64年、安部公房原作の「砂の女」(東宝)が公開され、ヒロインには34歳の岸田今日子が扮した。岡田英次を相手に、文字どおり砂まみれのヌードとなって、激しいカラミを見せている。
晩年のイメージとは違って、抜群のプロポーションと悩ましいアエギ声であり、作品自体もキネマ旬報ベストワンなど、同年の映画賞を総なめにした。
〈ずり落ちた穴の奥深く、激しく開く女がいた〉
これが公開時のキャッチコピーであるが、岸田の魔性をもってして演じられた作品であった。
国民的長寿ドラマ「銭形平次」(フジテレビ系)では、平次の妻・お静を長らく演じた香山美子(73)。清楚な表情とともに理想の女房像だったが、180度違う役に挑んだのが「江戸川乱歩の陰獣」(77年、松竹)である。この時、香山は33歳であった。
香山が演じたのは、2つの顔を持つ謎の夫人・小山田静子の役。実は、静子は夫によってSMの調教を受けており、香山のしなやかな肉体がムチや縄によって責めの快楽を味わう。まだ日本映画の一般作でSM描写が少なかった時代、まさかの先陣を切ったのが香山であった。