100歳まで生きる健康長寿食 (1/2ページ)
長生きできるかどうかは、体内の「慢性炎症」の有無に左右される――。近年の研究結果により、そんな健康長寿を実現するヒントが明らかになっている。
まず、慢性炎症とはいかなるものなのか。山梨大学医学部名誉教授の田村康二氏が、こう説明する。
「膝にケガをした際に、擦りむいた皮膚が充血して赤くなって痛みを感じますが、これは急性炎症と呼ばれる状態。血管内の血液成分の組織への漏出や白血球の炎症組織への侵入などによって、次第に炎症症状が進んでいく。それに対して慢性炎症は、なかなか治まらない炎症です。両者の大きな違いは、炎症が組織に与える時間。がんや動脈硬化、肥満、アルツハイマー病などの疾患が、慢性炎症によって発生することが分かっているのです」
たとえば喫煙は、慢性炎症を引き起こす原因となる。喫煙によって肺に有毒物質が侵入すると、免疫システムが体を守るために臨戦態勢を整える。その結果、慢性気管支炎という炎症を起こす。老化の進行の原因も慢性炎症で、自己防衛のために働く自己免疫システムによって引き起こされることが分かってきた。
「つまり、炎症自体が炎症を継続させて体を傷めつけようとする状態で、体内に存在する常在菌によって発症します。言い換えれば、人の活動に必要以上のエネルギーが生成されると過剰となり、余分なエネルギーの生成が自分自身を攻撃することになる。これが慢性炎症を起こしている状態で、健康診断の血液検査の結果にも『CRP』という項目で数値が記されています」(健康ライター)
田村氏が続ける。
「CRPは『C-Reactive Protein』の略で、体内で炎症が起きた際に肝臓から出るたんぱく質の値を示しています。これが0.3以下であれば基準範囲、1.0〜2.0以上は異常の範囲となります(単位=mg/dl)。炎症とは、病気だけでなく怪我などをしても赤くなったり、熱を持ったり、痛みとして表れる。しかし、慢性炎症の場合、あまり自覚がない程度の弱い炎症が長く続く。体のどこにでも表れますが、長引けば動脈硬化やがんの原因になるのです」
では、このCRP値を押し上げる原因は何か。前に挙げた喫煙や加齢に加え、ストレスや高血糖、さらに注目されるのが、肥満だ。