「他社の選考状況は?」企業側が質問する意図と効果的な回答方法

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「他社の選考状況は?」就活の面接で聞かれたときの回答方法

選考が最終面接に近づいてくると、増えてくる質問で一番困るのが「他社の選考状況は?」という質問ではないでしょうか。きっと面接で聞かれたときに困ったという経験を持っている方も多いはずです。「実は滑り止めだけど、本当のことを言ったら落とされてしまう」「どう伝えたらいい評価がもらえるのか?」などと不安になって、回答する際に顔に出てしまう学生も大勢います。そんなときでも他社の選考状況に対する質問の対処方法を知っていれば、質問をされても慌てることなく対応することができます。まずはその質問が出る面接の前段階から準備を進めておきましょう。この他社の選考状況の質問の回答次第で次の選考に進めるかどうかが決まる場合もあります。効果的な方法をご紹介しますので、自分の就活にぜひ役立ててみてください。



■他社の選考状況を聞く理由

まずは、企業側が他社の選考状況を聞く理由を理解するところからスタートしましょう。この質問には下記3つの意味があります。

1.自社に来る気があるかの確認
2.他社に取られてしまわないかの確認
3.学生の客観的評価の確認

それぞれについて、詳しくご紹介していきましょう。

1.自社に来る気があるかの確認

まずは純粋に「内定を出したらこの学生は自社に来てくれるのだろうか?」という確認のために質問しているという意味合いです。自社が第一希望なのか、それとも滑り止めなのか、学生の反応を見て判断していきます。

企業側も採用人数が決まっているので、内定を出した後に多くの学生に内定辞退をされてしまうと、残っていた候補人材もすでに他社で内定を承諾してしまっているケースが多いため、またイチから採用活動を開始しなければなりません。

来る気持ちがない人に内定を出さずに、次点だった候補者を逃さずに採用するためにあたりをつけるのです。これを見誤ると、採用の数も質も担保するのが難しくなる傾向があります。そのため企業側全体・人事担当としてもしっかり把握しておきたい内容なのです。

2.他社に取られてしまわないかの確認

次に、自社がその学生を採用するかどうか迷っているうちに、競合となる企業に内定してしまい、採用できない状態にならないかを心配している場合もあります。特に同じ業界内であれば、内定を出すかどうか迷うレベルの人材をみすみす競合他社に渡してしまうことになるのです。

業界内でライバルとして拮抗している企業の場合は特に、内定が出ているかどうかは気になるところ。採用競合にも事業上の競合にも渡さず、できれば優秀な人材はすべて自社で抱えられる状態が理想と考えています。それが、企業の成長の大きな要因となることを知っているからです。

3.学生の客観的評価の確認

最後に学生自身を客観的に見るためにヒアリングする意味合いもあります。この規模の企業から内定がもらえる人材、特に競合となる大手企業などの内定を持っていれば、大手企業から内定がもらえる実力を持った学生であることがわかります。

内定がある効果としてはそういった実力を知る意味合い以外に、内定を持っていても簡単に就活を辞めるのではなく、自分の考えがあって就活を続けているわけです。そこには絶対何らかの理由がありますので、その質問もされる可能性が高くなります。

さらにそこの受け答えで説得力のある志望動機を伝えられれば、熱意だけでなく優秀さを感じさせることができるので、いい評価をもらえる可能性が高まります。このように企業側がこの質問をする意味合いや事情がわかってくると、どのように答えるのが正解なのか徐々にわかってきた方もいるのではないでしょうか?

■他社の選考状況は? と聞かれた場合の答え方

では実際に、「他社の選考状況は?」と聞かれた場合の答え方のポイントをご紹介します。5つポイントがありますので、ぜひ覚えておいて効果的な受け答えを実施してくださいね。

(1)他社の選考状況は即答する

まず質問されたら何を答えるとしても言いよどまず、ハキハキと答えていきましょう。もしその面接が他企業の不合格をもらった直後だったとしても、自信に満ちあふれた雰囲気で会話することが大切です。

自信がなさそうな話し方、即答できないなどは準備不足やマイナスなイメージを与えてしまいます。そうならないようにまずは自信のある振る舞いをしてください。他社の選考状況について聞かれたときに即答できなければ第一希望でないことを感じさせてしまいますので、即答できるように準備しておきましょう。

(2)他社の選考状況を細かく聞かれるまでは余計な情報を話さない

他社の選考状況を聞いているだけなのに事細かに選考状況などをペラペラと話してしまうと、印象が悪くなる可能性もあります。自慢をしているように聞こえますし、話の要点がつかめない人と思われてしまうからです。聞かれたことを的確に短く、わかりやすく伝えるのが一番ですので、聞かれたことに答えるだけに留めましょう。

他社の選考状況を答える場合は受けている企業の同業界の2社程度の選考状況を伝えれば十分です。その話から「内定が出ているのに(選考が他の企業の方が進んでいるのに)、どうして就活を続けているのか?」という質問が出ますので、志望動機にも説得力が増します。同じ情報でも、どう伝えるかで大きく印象が変わることを覚えておきましょう。

(3)滑り止めでも第一希望だと伝える

滑り止めで受けている企業でも、第一希望であることを伝えましょう。第二希望と伝えてもいいことがないのはこれまでのポイントでわかるはずです。自分自身が人事だったらと考え、ためらうことなく第一希望と伝えましょう。その際、理由も明確に伝えておきましょう。

(4)よい選考状況のところを伝える

仮に就活全体で選考状況がよくなくても、いいところだけピックアップして伝えましょう。悪いところを伝えると不合格にされてしまう人物と思われてしまいます。そうならないようによいところを選んで伝えていきましょう。

よい選考状況のところを伝えれば、「この学生は○○という企業から内定をもらえるレベルの学生なのだな」と思ってもらえます。例えその面接でよい印象を与えられなかったとしても次の選考に呼んでもらえる可能性が上がります。次の選考までに不足していた準備をしっかり行い、面接に臨みましょう。

(5)就活の軸が感じられる企業を選んで伝える

就活で志望先企業を選ぶのには軸が存在します。業界をまたいでいる、あるいはパッと見で共通点がわからないところを複数受けているなどの情報はマイナスに捉えられる可能性が高いでしょう。もし他の業界を受けていても、同業界のみに絞って話を進めましょう。同業界であれば同じような志望動機でOKですし、受けている企業と内定をもらっている企業の差やどこを魅力に感じているのかを伝えるだけで、「よくわかっているな」と思ってもらいやすいです。

このように「他社の選考状況は?」と聞かれた場合の答え方やそこから新たな質問を引き出すことができます。自分がイニシアチブを持って選考を有利に進めるためにできることを考えて対応しておくのがおすすめです。

いかがでしたか? 他社の選考状況を聞かれた場合の対応方法とその受け答えで内定に近づいていく方法をご紹介しました。面接の前にこちらを読み込んでいけば、嬉しい結果に変わる可能性が高まるはずです。ぜひ自分の理想の内定先に内定できるようにぜひチャレンジしてみてください。

執筆:高下真美

新卒でインターンシップ紹介、人材派遣・人材紹介のベンチャー企業に入社。ベンチャー企業から大手IT・流通・情報・サービスなど多岐に渡る業種で営業・コーディネーターを担当。その後、大手採用コンサルティング系企業で8年の勤務を経て、夫の転勤を機に退職。現在は人材系コラムの記事執筆など、フリーライターとして活動中。

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