小池百合子がハシゴを外した”民進党分裂”を1分で解説|やまもといちろうコラム (2/2ページ)

デイリーニュースオンライン

 大混乱の元凶は、これらの議員の所属や公認をどうするのか詰め切らずに合流を決めてしまった前原誠司さんと小池百合子女史にあると言いたいところですが、実際にはそれまでの交渉の経緯として、民進党群馬県連の動きや、自由党・小沢一郎さん(75)と前原誠司さんの間での説得、さらには、維新の会を小池百合子女史に紐づけした竹中平蔵さん(66)といった「蠢く人たち」の合作であるという状況です。可哀想ですが、民進党の発展的解消のために希望の党への合流を果たし、小池百合子女史の人気と連合の組織選挙をバックに一気に政権交代を果たすという夢は「そもそもがガセネタ同然の実現不可能な構想だった」のが判明してしまい、潰えてしまいそうな勢いです。

 唯一、小池百合子女史への期待感が高い東京や南関東の各選挙区では、自民よりも希望の党への比例代表での投票傾向が高くなる情勢です。逆に言えば、小池百合子人気というのは全国区では全くなく、共産党などとの候補者調整を行って取れる議席よりも希望の党への合流のほうが少ないようであることが分かってきたため、これから短期間でどのように事態を収拾するのかは非常に大事なポイントになってきました。

 また、いままで小池百合子女史に協力的であったメディアも、小池女史の保守宣言、それも安保法制への賛成を踏み絵にしたリベラル派排除はいたく失望を呼び、ワイドショー人気でどうにかなってきた小池女史への追い風がピタッと止みかねません。

 週末までは「過半数も狙えると判断できるような希望の党の勢いが確認されれば、小池百合子女史は都知事を辞任して衆議院選挙に電撃出馬するのではないか」と目されていましたが、一転、たいした準備も支持もないということで、逆噴射に晒される流れになってきたのは興味深いところです。

 民進党が分裂するのは間違いのない情勢ですが、さてどのように推移するのか慎重に見ていきたいと思います。

著者プロフィール

やまもといちろうのジャーナル放談

ブロガー/個人投資家

やまもといちろう

慶應義塾大学卒業。会社経営の傍ら、作家、ブロガーとしても活躍。著書に『ネット右翼の矛盾 憂国が招く「亡国」』(宝島社新書)など多数

公式サイト/やまもといちろうBLOG(ブログ)

やまもと氏がホストを務めるオンラインサロン/デイリーニュースオンライン presents 世の中のミカタ総研

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