後輩に夢を。生田高→成蹊大でトップリーグ入り控える石井智亮の思い。 (2/2ページ)

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こちらは成城大学を経て、トップチームに加わった。

「高校時代にOB戦に来られて、飛び抜けたプレーをされていたのを覚えています」

 石井にとって、少年時代の憧れだった。先生の囁きとともに、この人も自分に夢を見させてくれたひとりだ。

 そんな道を歩んできたから、石井自身も「生田や成蹊の後輩たちに夢を与えられたらいいですね」と思うのだ。

 普通の県立高校で楕円球に出会い、大学1、2年時は対抗戦Bが戦いの場で、学生主体のチームにいた自分でも、強く思い続けたらトップリーグでやれることになった。そのことを知って、「自分も」と思う人がひとりでも多く出てきてくれたら、と思う。

 慶大との試合前、ふたつの個人的目標を決めて戦いに臨んだ。スクラムをしっかり組む。そして、自らトライを決めることだった。

 試合後に振り返った。

「そのうちのひとつは実現できましたが、前半はスクラムがうまくいかなかった。成蹊大のグラウンドは人工芝なので、天然芝への対応がうまくいかなかった。次の試合からはしっかり対応していきたいですね」

 この日は3番で先発し、後半は左PRに入った。

「後半は対応もできたし、押せたスクラムもありましたが、慶応の低さに戸惑ったところもあった。そのあたりは見習っていきたいと思います」

 前半は防御を破られることが多かったチームは、後半になってタックルの低さを意識したら止められた。個人的にも、チームとしても、強豪との戦いの中で得た体感を一つひとつ次戦に生かしたい。

 チームは今季の目標を2勝としている。対抗戦Aの6位までに入り、Bリーグとの入替戦を回避するための最低条件だ。

 最前列で仲間、後輩を牽引する男は、4年生として、スクラムの要として、絶対にそれを成し遂げたい。

「下級生の時は対抗戦Bでした。その後Aで戦ってみて、得られるものがまったく違うな、と感じました。だから、後輩たちを何としてもここに残してあげたいんです

 仲間とのつながりの強さをそのままパワーにできる、このチームが好きだ。

 夢を実現させる力を育んでくれた仲間、後輩たちに恩返しをして卒業する。

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