ビートたけしの名言集「かわいがっていたシェパード犬の『ミケ』」 (1/2ページ)
6年程前、殿の元へ弟子入り志願に来ていた一人の青年がいました。彼、毎週とある番組終わりに出待ちをしては「弟子にしてください」と訴え、断られること半年──。が、ある日突然、弟子入りをあっけなく許されたのです。その時の会話を記します。
青年 弟子にしてください。
殿 あんちゃん、犬の世話とかできる?
青年 犬! 犬ですか? あっ、はい(殿の言ってる意味がよくわかってない様子)。
殿 じゃーよ。来週から俺んとこ来いよ(来週の収録のスタジオに来いと)。詳しいことは北郷に聞いてよ。じゃーな。
そう告げると、殿は帰っていかれたのでした。
そして翌週、スタジオにやってきたその青年を見た殿はすぐさま、
「あんちゃん、犬の世話できんだろ? だったらよ、当分の間、芸名はシェパード太郎だ!」
と瞬時に仮の芸名を命名したのです。殿はこの頃、大型犬のシェパードを飼い始めた時期であり、その犬の世話をする人材を探し求めていたのです。
で、そのシェパード犬、名前を「ミケ」といい、生まれたばかりの頃、殿が一度楽屋に連れてきたことがありました。“大変優れた血統書付”といった触れこみの子犬は、精悍な顔つきからにじみ出る“品の良さ”を漂わせており、わたくしが「賢そうな顔してますね。やっぱり血統って大事なんですね」と、称賛の声を上げると、気をよくした殿は、
「当たり前だよ。北朝鮮から逃げてきた、お前なんかと血統が違うよ。気安く触るな! バカがうつる」
と、めちゃくちゃなツッコミを入れてくるのでした。
当たり前ですが、わたくし、脱北した過去は1ミリたりともございません。それはさておき、殿が溺愛していたミケは殿の発案により“賢い犬”になるべくしばらく、警察犬学校に預けられたのです。