フケ・かゆみ・湿疹!子どもの頭皮トラブルで多い病気&正しいケア

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子どもの頭皮環境は非常にデリケート。皮脂や汗などによって、フケや湿疹など様々な頭皮トラブルが起こることもあるので、シャンプーも丁寧に行うことが大切です。



今回は、子どもの頭皮トラブルの原因や、注意したい病気、正しい頭皮ケアなどを詳しく医師に教えていただきました。






子どもの頭皮トラブルの原因

こどものシャンプー



皮脂の分泌が活発

子どもは汗をかきやすく、赤ちゃんの時期や思春期は皮脂の分泌が活発な時期もあります。



洗髪の仕方が雑

子どもに洗髪を任せていると、顔に水がかかるのが苦痛などの理由で頭を洗ったりすすいだりがいい加減になりやすく、汚れが残っていたり、シャンプーのすすぎ残しがあったりする場合もあります。



逆に爪を立てて洗ってしまい、頭皮が傷ついたり、皮脂を取り過ぎることもあります。



集団生活による感染

集団生活をしていると、白癬菌やシラミなどをうつしあうこともあります。




子どもの頭皮トラブルで多い病気

子どものアタマジラミ



脂漏性湿疹、脂漏性皮膚炎

頭皮、顔、首、背中、胸、脇など、皮脂分泌が多い場所に赤いできものや白いかさぶたができ、フケが多くなります。かゆみはあることもないこともあります。



赤ちゃんが生後1カ月頃に顔が赤くなる乳児脂漏性湿疹は、ホルモンの変動によるものと考えられており、それ以降では何らかの原因で皮脂の分泌が増え、その皮脂をマラセチア菌(皮膚の常在菌の一種であるカビ。癜風菌=でんぷうきんとも呼ぶ)が分解して起こるのではないかと考えられています。



ステロイド剤を塗ったり、カビを殺す薬を含むシャンプーやローションを使用します。



白癬菌感染(しらくも)

白癬菌は手足の水虫の原因になるカビで、手足以外にも股間や頭部で増えることがあります。白癬菌はどこにでもいる菌で、普段は害をなしませんが、皮膚に長時間白癬菌が付着し、皮膚が湿った状態にあるなどの条件を満たすと、数が増えて病気を引き起こします。



白癬菌は人間だけでなくペットにもいることがあり、ペットから人に感染することもあります。フケが出て、髪が楕円形の範囲で抜けます。かゆみはないのが普通です。円形脱毛症と似ています。



トリコフィトン・トンズランスというのは頭皮で繁殖する白癬菌の一種ですが、「トンスラ」とはフランシスコ・ザビエルのような頭頂部がはげた髪形のことで、この白癬菌に感染すると毛が抜けることから名づけられています。



日本で最近増えており、部活などで長時間同じ環境で過ごす仲間の間で流行しやすいとされています。スポーツをした後にはシャワーを浴び、頭皮に病変を見つけたら早めに診察を受け、防カビ剤を含むシャンプーを使用することが勧められています。



治療には飲み薬を使用することもあります。



(参照:日本臨床皮膚科医会 トンズランス感染症)



アタマジラミ

昆虫の一種で、髪の毛や陰毛、眉毛やまつ毛に卵を産み、卵からかえった虫が血を吸い、かゆみが起こります。毛を接触させることで感染するので、頭をくっつけて遊ぶ年齢の子供や、一緒に昼寝をする保育園児で流行しやすいと言われています。



水洗いしてもなかなか取れません。ブラシや布団、タオルを共有することで感染する可能性はあります。虫の卵や虫自体を発見し、駆虫薬を使用することで治療します。



乾癬

体に赤い発疹と銀色のふけのようなものができる原因不明の病気で、頭皮にも出ることがあります。塗り薬、飲み薬、紫外線照射などで治療します。



円形脱毛症

円形に毛が抜け、原因はストレスや感染症による免疫の異常(自分の毛の細胞を間違って攻撃してしまう)とされています。炎症を抑えたり血流を改善する飲み薬、塗り薬などで治療します。



抜毛症

子どもが自分で毛を抜くくせがある場合に起こります。円形脱毛症と似ていますが、利き手の届く範囲にしか出なかったり、境界線が円形ではないという特徴があります。ストレスの原因を見つけ対処することが治療となります。




子どもの頭皮を清潔に保つ正しいケア

子どもの頭をシャンプーする父親




洗い方・すすぎ方

洗髪を子供に任せる場合は、放任せずどのように洗っているか・十分にすすげているかを見守りましょう。爪を立てずに指の腹でやさしく洗い、十分流すように指導します。



シャンプー選び

ぬるつかず、すすぎやすいシャンプーを選びましょう。



入浴後のケア

髪を濡れたままにせず、タオルやドライヤーで乾かすようにしましょう。




最後に医師から一言

頭をかくこども



頭皮は髪に隠れて見にくい部分ですが、赤みやフケがないか、かゆそうにしていないかを時々注意し、異常があるようなら皮膚科で相談するようにしましょう。



その際、集団生活(保育園・部活動・習い事など)をするかどうか、家族に他に症状のある人がいないかどうかを申告しましょう。



(監修:Doctors Me 医師) 



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