新型日産・リーフ登場間近!電気自動車(EV)の現状の問題点をまとめてみる

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新型日産・リーフ登場間近!電気自動車(EV)の現状の問題点をまとめてみる
新型日産・リーフ登場間近!電気自動車(EV)の現状の問題点をまとめてみる

9月6日、日産から新型リーフがワールドプレミア。従来のリーフと比べて大幅に航続距離も伸びて、早くも世間では話題の1台となっています。

この数年で電気自動車(EV)がこれまで以上に身近な存在になりつつあります。また、自動運転技術などの新しい技術は電気自動車を前提にしたものが多くなっています。

さらに、ドイツやフランスに続いて、最大のマーケットである中国も電気自動車への移行を強く促す規制を打ち出したことから、 電気自動車へのシフトが一気に加速しています。

今後、国内外の各メーカーが電気自動車を投入する計画とのことですが、そろそろ我々も電気自動車を選ぶ時代になったのでしょうか? それともまだ早いのでしょうか?

今回は電気自動車の現状を取り上げて、普及に至るまでの問題点を追及してみました。

目次

電気自動車(EV)の問題点その1:航続距離 電気自動車(EV)の問題点その2:充電スポット 電気自動車(EV)の問題その3:世間的イメージ 電気自動車(EV)の問題点その4:価格

■電気自動車(EV)の問題点その1:航続距離

これまで、電気自動車(EV)はマイカーとして捉えられず、一般的に普及してきませんでした。

理由としてまず考えられるのは航続距離の問題です。 これまで発売された電気自動車は長い距離が走れず、充電しなければならなりません。実際、初代日産・リーフも航続距離はJC08モードで200km程度でした。ほとんどの方が、ガソリン車やディーゼル車、あるいはハイブリッド車の欠点などは知らなくても、驚くほど 電気自動車の欠点に対しては、このような考えを持っています。

確かにある意味正解で、電気自動車の欠点の1つです。しかし、ガソリン車やディーゼル車がスタンドで給油すれば良いように、電気自動車も充電スポットがある場所で充電すればいいのです。

そして、自宅でも他の電化製品のように充電することで、カタログ値通りなら400㎞も走ることができます。これはガソリン車やディーゼル車にはできないことです。

日常の利用で400㎞走る人はまず皆無でしょう。車が欠かせない地方都市であっても、せいぜい50~60㎞しか走りません。経済的にも外部の充電スポットを利用することなく、夜間に自宅で充電すれば、ランニングコストは0といって良いでしょう。(自宅の電気代を除けば)

そして、たまの遠出には、パーキングエリアの充電スポットや、日産のお店で急速充電ができるので、不便は感じないはずです。

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■電気自動車(EV)の問題点その2:充電スポット

それでも 電気自動車(EV)に課題は残っています。先に述べた充電ですが、まず、自己所有の戸建て住宅なら問題ないのですが、借家であったり、マンション/アパートなどの集合住宅、そして外部の月極駐車場を利用される方にとっては、充電設備の設置は大きなハードルとなります。これらの問題をクリアしてまで、電気自動車を購入しようとする人はおらず、また、自宅で充電できなければ電気自動車には何のメリットもなく、ハイブリッド車で充分といえます。

充電スポットにしても、かなり数が増え、ガソリンスタンドと同じぐらいになったそうです。しかし、数は増えても、一度に充電できるのは1~2台というのがほとんどで、しかも満充電までにかかる時間は最新型のEVであったも20分。もし満車ならかなりの時間待たなければなりません。

高速道路のパーキングエリアには、充電すぽーっとが数多く設置されていますが、今でも行楽シーズンになると電気自動車のリーフ以外にプリウスのPHVやアウトランダーPHEVなどでいっぱいになっていることがあります。

この状況に加え、新型リーフが前評判通りにヒットするとこれまで以上の混乱が予想されるのです。

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■電気自動車(EV)の問題その3:世間的イメージ

もうひとつ。電気自動車(EV)を特別なもの、マイカーとしては考えられないと思ってしまう理由に、そのイメージがあります。

日産がリーフを発売する前までは、電気自動車といえばモーターショーなどでおなじみのコンセプトカーを始めとする、ゴルフカートのような都市型コミューターとして紹介されてきました。2人乗りのプラスチック製の軽量ボディをまとったコミューターは、マイカーとは無縁の存在でした。

初代リーフはまったく普通の乗用車のように販売され、何も説明されなければ電気自動車を意識しない車種でした。それでも、あえて先進性を示すために、グリルレスのフロントや個性的なテールエンドなど、個性的すぎるデザインが 電気自動車を主張してきました。

これが新型リーフになると、その特別感はなくなり、人気コンパクトカーのノートと並んでいても、まったく違和感を感じず、居住性能や積載性もコンパクトカーの標準以上の出来栄えになっています。

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■電気自動車(EV)の問題点その4:価格

航続距離だ、充電だと電気自動車(EV)を買わない理由は多くあげられますが、もしガソリン車より安ければもっと早くに普及していたでしょう。しかし、実際にはどうクラスのガソリン車の2倍ほどの価格なのが現状です。

新型リーフの価格を見てみると、ベースグレードの「S」でも3,150,360円。これは割高で販売が低調なプリウスPHVとほぼ一緒。プリウスなら240万円台、アクアやフィットハイブリッドにいたっては200万円を切るグレードでも充分な装備がついてきます。

つまり、同クラスのハイブリッド車に対して100万円以上出す価値があるのかが問題になっていて、これまでは「ない」というのが一般的な反応でした。

電気自動車(EV)の値下がりと補助金

それでも、新型となったリーフは従来型よりも、航続距離がのび、安全装備などもも充実、質感もとかくなっているのに価格は17万円ほど値下がりしています。さらに航続距離が延びたことにより、クリーンエネルギー補助金も40万円に増額。実質的な負担額はプリウスやC-HRの中間グレードあたりとなってきています。

電気自動車(EV)が安く購入できるようになったのは、量産効果によってバッテリー及び周辺機器の値下がりが大きく、短期的にはこれからまだ値下がりが続くと予想されます。ソフト関連についても、半導体の原価は最安値の状態が続いています。

しかし、バッテリーに関しては希少金属の配給が安定的に継続されるかが心配され、最大の生産国である中国の政策次第というもろさがあり、長期的にはあまり安くはならないのでは?ともいわれています。

もうすこし小型の車種が出てくればとも思いますが、現状ではそんなニュースは聞こえてきません。したがって、新型リーフの価格が今後の電気自動車のランドマーク的なものではないでしょうか?

■まとめ:次は電気自動車(EV)にしてもいいのか?

総合的に判断して、もし今買い替えのタイミングであれば、そして、充電環境や仕様状況など、ライフスタイルに無理がなければ新型リーフを選んでも後悔しないでしょう。

しかし、日産がリーフのさらに航続距離を伸ばしたモデルの発売や、クロスオーバーSUVにもEVの導入を示唆したり、多くのメーカーがEVを発表する予定になっていることもあり、早急に判断するのはまえだ早いのかもしれません。

せめて、リーフと同性能、同価格帯のライバルの出現を待ってからというのが結論です。

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