傑作ドラマ「壮絶死の名場面」真相(1)勝野洋が演じた「太陽にほえろ!」でのテキサス殉職 (2/2ページ)
勝野 ゴリさん役の竜雷太さんに「絶対にカン違いするなよ。周りがあっという間に変わるから」と何度も言われましたね。大丈夫ですと言っても、ゴリさんは「いや、天狗になる」の一点張りだったけど(笑)。
── そして76年9月3日、「テキサスは死なず!」のタイトルながら、ついに最期の瞬間を迎えます。歴代の殉職シーンは、役者自身の意見を尊重するのが恒例になっていましたが。
勝野 僕も監督に「どうしたい?」って聞かれて、それこそ瞬殺‥‥あっさり死なせてくださいとお願いしたんです。監督は「うんうん、なるほどね」と言いながら、実際はなかなか死なせてもらえなかった。引っ張りましたね(笑)。
── 視聴率は番組史上最高の42.5%を記録。敵陣の銃撃でハチの巣状態になりながら、それでも七曲署の面々が到着するまで仁王立ちになってふんばった名シーンです。
勝野 ボスやヤマさんなどひとりひとりの名前を呼んで息絶える‥‥。あのシナリオは、番組プロデューサーのテキサスに対する愛情でしたね。
── その後もボンやロッキーなど多くの新人刑事が入り、そして去っていった。
勝野 実は、裕次郎さんは「テキサスが死んだら『太陽にほえろ!』も終わりかな」とおっしゃっていたそうで。それがどういう意味かはわかりませんが、もちろん、そんなことはなく、番組は続いた。
── あらためて自身の殉職シーンを振り返ると?
勝野 これで終わってしまう寂しさもあったけど、一番は2年間やり抜いたという感動でしたね。