最初から天才なんていない!葛飾北斎の「波」が完成されていく経過を追ってみました (3/4ページ)
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葛飾北斎
『神奈川沖浪裏』
過去最大ながらも不自然さがなく反り返る高波、禍々しい鉤爪のようにするどく千切れる飛沫、翻弄される押送船と人々、奥には静かにそびえる富士山。葛飾北斎の描く波が一つの完成形にたどり着きました。
北斎の波の最終形が描かれた場所しかし「百十歳にして一点一画生けるがごとくなるだろう」と語った北斎にとっては、この波もまだまだ通過点に過ぎなかったのでしょう。北斎最晩年の波の絵が、こちらです。
上町祭屋台天井絵『怒涛図 女浪(部分)』
なんとこの作品は、長野県小布施町の祭りの屋台に描かれた天井絵でした。もはや波を描かせたら北斎の右に出る人はいません。
北斎の残した数々の波を目にするたびに、「本気で何かを成し遂げたいと思うなら、何度でも挑めよ。何度でも、何度でもやるんだ」と言われているような気がしてなりません。だからこそ人々は、国境も時代も超えて、北斎の波に魅了し続けられるのでしょう。