天才テリー伊藤対談「大地康雄」(3)付き人のストレスで頭が薄くなって (2/2ページ)
大抜擢じゃないですか。
大地 31歳の時ですね。髪の薄い俳優さんを集めてオーディションをしていたらしいんですが誰も引っ掛からなくて、私はピンチヒッターで行ったんですよ。そしたら、監督さんが5年前に私が出た「衝動殺人 息子よ」という映画の犯人役を覚えていてくれたんですよ。
テリー 役を演じるに当たって、何か参考にされたんですか。
大地 「本人に会うか」とも言われたんですが、裁判資料を読んで、自分なりのイメージを作りました。あまり気負わず、それまで勉強してきたことを誠実に役にぶつけてみようと。
テリー 当時、強烈な印象でしたよ。僕も「川俣軍司本人じゃないの?」と思ったくらいですから。
大地 「本人を出してきて撮ったのか?」とかテレビ局にも問い合わせがあったらしいですね。でも、その役が強烈すぎて「あいつ、本当にヤバいヤツじゃないか」と思われてしまって、たまに来る仕事もステレオタイプの悪役ばかり。その後3年ぐらいメシが食えなくて、またバイト生活に逆戻りになりました(苦笑)。
テリー あんなにいい仕事をされて、そんなことになっていたなんて! 俳優のイメージって、一度ハマるとそこから抜け出すのが大変なんですよね。
大地 まぁ、今考えてみると、それも別の意味での修業期間だったのかな、と思えるんですが。