天才テリー伊藤対談「大地康雄」(3)付き人のストレスで頭が薄くなって (1/2ページ)
テリー そこから、あらためて俳優の道を歩み始めた?
大地 ええ、ゼロからのスタートです。もちろん、全然食えませんから、同じ俳優仲間がやっていたガラス磨きのバイトを引き継いだんですよ。お金持ちの家へうかがって、「ガラス磨かせてください」ってお願いして回るバイトだったんですけど。で、新規のお客を開拓しようと五反田の高級住宅街を歩いていたら、「伊藤雄之助」という表札を見つけたんです。
テリー え、あの黒澤明作品などでおなじみの名優、伊藤雄之助さんですか!
大地 そうなんです。なので、飛び込みで「弟子にしてください!」とお願いしたんです。ところが、先生は不在で、奥さんに「今まで何人も取ったけど、厳しくてみんな夜逃げしてしまうから、諦めなさい」と言われましたね。だけど、私は「じゃあガラスだけ磨いて帰ります」と通い続けましてね、結局7回行きました。
テリー それ、もうストーカーですよ(笑)。
大地 8回目にやっと先生がいらして、「キミか、紹介もなく、しつこく来ているのは」と。あらためてお願いすると、「じゃあ、明日から来てみるかい」っておっしゃっていただきまして、その後、2年ぐらいお世話になりました。
テリー 奥様が言っていたとおり、伊藤さんは厳しかったんですか?
大地 ええ。その厳しさが残っているのが、私の頭ですよ。当時はフサフサだった髪が、その時のストレスですっかり薄くなってしまいましたから(笑)。
テリー アハハハ。でも、それが83年のテレビドラマ「深川通り魔殺人事件」の川俣軍司役につながったんじゃないですか?
大地 ええ、まさかそんなところが生かされるとは思いませんでした(笑)。
テリー 当時、大地さんはまったくの無名ですよね。