秋津壽男“どっち?”の健康学「『鼻風邪』と『のど風邪』どっちが危険?油断しがちな風邪こそが大病の可能性も」 (2/2ページ)

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 また、のどや肺に不快感を伴うせきが肺がんや咽頭がんの初期症状というケースもあります。痛みについても留意したほうがいい場合もあります。一般的なのど風邪は声が出にくくなるだけですが、唾が飲み込めないほどの痛みは非常に危険です。これは扁桃腺炎の可能性が高く、風邪とはまったく別の病気なのです。

 扁桃腺炎は、せきがないのにのどに痛みを感じるほか、38度以上の高熱が出て、倦怠感や頭痛、関節痛、悪寒などの症状があります。加えて、リンパ節が腫れ、その痛みが耳や側頭部に広がることもあります。インフルエンザのように他人から感染するわけではなく、疲れや寝不足、ストレスなどがたまり免疫力が低下すると、口内の細菌により扁桃腺炎を起こすのです。

 扁桃腺炎が悪化した場合、左右の扁桃腺がともに腫れ、のどの真ん中でくっついてしまいます。こうなると唾が飲み込めないばかりか息もできなくなり、ひどいケースでは手術により扁桃腺を切らねばなりません。放っておけない怖い病気です。

 病院を訪ねて医師に風邪だと診断されれば恐れるに足りませんが、自己判断で自分は風邪だと思っていたのに違う病気だった。これぞ怖いパターンなのです。

 風邪をひいて3日たっても症状がよくならない場合、他の病気である可能性がありますので、早めに病院に行ってください。

■プロフィール 秋津壽男(あきつ・としお) 1954年和歌山県生まれ。大阪大学工学部を卒業後、再び大学受験をして和歌山県立医科大学医学部に入学。卒業後、循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコーなどを学ぶ。その後、品川区戸越に秋津医院を開業。

「秋津壽男“どっち?”の健康学「『鼻風邪』と『のど風邪』どっちが危険?油断しがちな風邪こそが大病の可能性も」」のページです。デイリーニュースオンラインは、扁桃腺炎週刊アサヒ芸能 2017年 10/12号“どっち?”の健康学喘息秋津壽男カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
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